9週間ぶりの手漕ぎボート釣りです
速報にたくさんのコメントを頂きました。いつもご訪問を頂いて本当に有難うございます
。
今回の観音崎釣行の詳細報告をさせていただきます。
釣果は自分でもビックリでしたが、内容は本当に課題だらけでした
。ちょっと恥ずかしい気がする部分もありますが、出来るだけありのままに記載してみます。
まずは【ダイジェスト】から。
・3回目の観音崎釣行です。釣行テーマではアジ&真鯛狙いと書きましたが、朝の時点の本音は「真鯛&青物」でした(社長さんに「今日の狙いは?」と聞かれた時、僕の代わりに大吟醸さんが「真鯛と青物」と答えてくれました
)。
・最初にアンカリングした高根まわりの場所は失敗でした。潮表のつもりが、外してしまっていたようです(目標の1つだった「タナ取り」の練習は果たすことができ、良い経験になりました
)。
・その後、事前に目を付けた走水寄りのエリアの海底地形を見て回りましたが、予想とかなり違い、良いポイントは見つかりませんでした
。
・やむなく、魚探に映る高根回りに戻りましたが、アンカーが打ち直しても止まらず、心身ともに消耗しました。
・半ばあきらめの境地に至り、アンカーが流されるままに高根の頂上近くで釣りをすることに。
・根の上の中層に仕掛けを入れ、機械的に撒き餌を打ち返していたら、予想外に真鯛がアタリはじめました。
・それから2時間ちょっと後の沖上がりまでに、6回ものアタリがあり、5枚という釣果に
・大鯛が掛かったタナは海面からわずか12m。本当に予想外の展開でした
。
それでは、詳細のご報告です



【基本情報】
平成24年9月7日(金)観音崎・なかね貸ボート店から出船しました。
潮汐は小潮に向かう中潮。満潮はAM8:45頃です。海況図による水温は27度。前日の風は弱く、水温の急激な変化の心配はありません。太平洋上の台風も存在せず、うねりの心配も少ないと思われます。
【自宅出発】
2か月以上振りのせいか、頭の中が興奮してあまりよく眠れませんでした
。
いくら年をとっても、釣りの時はこんな感じ?
AM5:10に自宅を出発。いつもの大津の時よりちょっと遅いです。なかねボートさんは大津の石田丸さんより出船時間が1時間遅いので、ちょっとラクかも
。
途中、コンビニで飲食物と「バナナ」を調達。今日こそはK-aoruさん流の「お呪い」の恩恵に預かりたいです

それともうひとつ、いつもの釣りの日の習慣が。
車の中で天国の父と叔父に釣行する旨の報告をします。「良かったら一緒にどう〜?」と声をかけます
。
馬堀海岸を観音崎方面へ向かいます。



【出船前】
AM6:45頃、なかね貸ボート店さんに到着。
まだお店は開いていませんでした。同じ開店待ちの方とご挨拶して待っていると、突如として後方から1台の原付が突っ込んできました

話していた方が思わず避けるほどの勢いで突っ込んできたそのバイクは僕の車のすぐ後ろで急停止。
笑顔で「ドッカーン!」と言いながら降りてこられたのは出勤前の大吟醸さんです(危ないですってば
)
大吟醸さんは不思議な方です。お顔を拝見するだけで楽しい気分になってしまいます。
またもやソルティライチの差し入れを頂きました。大さんいつも本当にありがとうございます
。
AM7:00に社長さんが来られました。人が多いとみるやすぐにsatoshiさんを呼ばれたようです。お二人にご挨拶。平日ですが、他にも船外機3、手漕ぎ1ほどのお客さんが見えてました。これから秋本番に向けて、きっと1番お客さんの多い季節になるんでしょうね。
【岸払い】
AM7:40頃に岸払い。
走水寄りの方角に向かいます。今までに手に入った海底地形の情報を元に、数か所の目星をGPSに仕込んであります。今回はその中から走水よりのものを確認していくことにします(朝方の社長さんのお話でも、真鯛は走水寄りで釣れているというお話でした)。
潮汐的には上げ9分という感じの時間帯。漕ぎながら確認してみると、北からの潮が流れています。4月に初めて観音崎に来たときには、上げ潮は南東から流れてましたので、ほぼ反対の感じです。下げ潮は北西から流れると考えられるので、もしかしたら潮変わり関係なしに北方向からの潮が流れ続けるのかもしれません。
【序盤の状況】
AM8:00過ぎ。
観音崎の海にある2つの高根の小さい方の北西側の駆け上がりのスソのあたり(のつもり)にアンカーを投下。水深36mあたりの場所です。アンカーロープを調節し、ボートは水深32mほどのところに落ち着きました。水深的には予定通りです。ただ、イメージしていた方向より少し東に振られた位置になったことが気がかりでした。
ボートが落ち着いた場所からの眺めです。
AM8:30頃、実釣開始です
まずは太目のワラサ仕掛け(フロロ8号・4.5m・2本鈎)です。今日の目標のひとつである「タナ取り」を開始します。ハリス分底立ちを切るところからスタート。ビシを止めてから「2分半」できっちり引き揚げて付けエサの状態をチェックします(こっとんさんに教わった方法の実践です)。
ストップウォッチは良い仕事をしてくれますよ〜
付けエサが残っていなければすぐにタナを調整して再投下。これの繰り返しです。エサが無くなるよりも、この状態で頭だけ無くなることが多かったです。犯人はどんな魚でしょう。カワハギ?(鈎が大きかったせいか、小魚が鈎掛かりすることはありませんでした)
身の方が美味しそうな気がするけど?
この時のタナ(エサが残る一番下の水深)が「24m」であることを見つけることはできましたが、時計を見るとAM9:20。50分もかかってしまいました。30分以内を目標にしていたので、ちょっと残念。でも良い練習にはなったと思います
。
さて、タナが取れたのは良いのですが、まったくアタリがありません。仕掛けを4号・6m・1本鈎に交換しても同じです。魚探も頻繁にチェックしていますが、まったく魚の気配がありません。
底の方に見えるのはビシの反応だけですよ。
タナ取りの途中からうっすら気付いてはいたのですが、どうやら潮表を微妙に外しているようです・・・
。
思いつく理由は二つ。
・潮流の方角を微妙に見誤り、アンカー投下時に想定していた場所より扇状に東にずれていること。
・自分が作りこんできた海底地形図自体が実際の地形とズレているらしいこと。
どうやら潮表ではなく、根の横側に位置している感じです。9時が潮変わりですが、潮は同じ北よりから流れています。やはり潮変わりはあまり潮流の向きに関係ないようです。ただし、実釣開始時点では北北西からだった潮が、少し変わり、北西からの潮になっています(これはボートのズレを拡大する要因にもなっています)。
潮の向きが変わらない以上、このまま頑張っても時合は来ないと思われます。自分の認識との地形のズレを確認する必要もあるので、移動することにしました。
【中盤の状況】
AM9:30頃、アンカーを上げて、さらに走水方面にボートを進めました。300~400mほど西北西に、北に向かって口をあけた入江状のカケアガリがあると考えていたので、その地形を確認しに行きました。
しかし、いくら漕ぎ回っても、ポイントになりそうな地形は見つかりませんでした。想定していたよりも緩やかなカケアガリはありましたが、底質的にも砂地で、他のエリアののような岩礁と砂地の入り混じる感じには見えません。
この時点で僕があらかじめ考えてきたポイント戦略は総崩れです
。やむなく、魚探にはっきりと映る高根のポイントに戻ることにしました。今度は1番高い方の根に向かいます。
AM9:50頃、高根の北西側200m、水深約40mの地点にアンカーを投入。狙うは水深30~35mのカケアガリです。仕掛けのチェック、2本目の竿の用意等をしながらボートが安定するのを待ちました。
しばらくして魚探画面を見てビックリ。「水深27m」を示してます

カケアガリの斜面なのに、アンカーが止まりません。しかもアンカー位置の水深が浅くなるにつれて水面上でのズレの距離も伸びてしまったようです。その後もボートは流され続け、水深はみるみるうちに25mになってしまいました。
観音崎のアンカリングの難しさを改めて感じます
。
そこで、アンカーを打ち直すことにしました。アンカーを底から7~8mほどあげたところでバネクランプを使って仮止めし、潮上に小移動します。
観音崎では潮が緩い時でないと出来ません。というか、しないほうが無難です(^^;;
改めて水深35m地点でアンカーを投下。ロープは着底時の長さ+7m程度と気持ち短めにします(これは良くなかったかも)。
しかし、またしてもアンカーは止まらず、ボートは水深25mまで根の上に入り込んできてしまいました
。
参りました。
頭の中で組み立て直していた作戦がまた崩れ、頑張りが疲れに変化する感覚に襲われました
。
1分ほど瞑想(放心
)した後、とりあえず開き直って釣りをすることに。
根の上なので、アジが釣れるかもしれません。ビシ仕掛けを投入して底を狙ってみます。着底後にビシを振り上げると、すぐにアタリがありました。アジ?いえ、カサゴの一荷です。
AM11:00頃。20cm以下なのでリリース。
このまま底を攻め続ければアジを寄せられる可能性はありますが、疲れで集中力が切れ気味の頭の中には「真鯛」と「青物」という名前が浮かんできます。でも根の頂上近くのこんなに浅い場所でタナ取りをして果たして意味があるのか解りませんし、移動しようにも移動するアテが思いつきません。
(6月に大鯵が釣れたお店の正面のポイントも浮かびましたが、前回と同じポイントにいくことだけは嫌でした)
さらに、iPhoneのバッテリーが切れていることに気付きました
。焦っていたせいでサブバッテリーに繋ぐのを忘れてしまったんです
。
万策尽きた感じがしました。
【終盤の状況】
時計はAM11:00を回っていました。
貴重な海の上での時間。しかも2ヶ月以上振りの待ちに待ったチャンスです。無駄にはできません。釣れなくても幸せを感じることはできますが、それはベストを尽くした場合の話です。とにかく改めてタナ取りをして釣るべきと思いました。
でも、浅すぎる場所であること、ここまでの疲れ、そしてストップウォッチが海水をかぶって故障してしまったことが、手と頭を止めてしまいます。
思考停止に近い状態の中で、浮かんできたのはたけちゃんさんの言葉。
「真鯛は天敵もなく、水深の真ん中を悠々と泳いでいる」
中層•••。底からのタナ取りを諦めるなら、中層!
「とにかく中層、水深の半分で釣ろう
」
この状況でのこの結論は格好の良いものではありません。裏を返せばタナ取りを怠けるための甘えた結論でもあります。でも、消耗の度合いが激しく、この時点ではこれが自分なりにベストのつもりでした。
少しでも確率を上げるために2本竿を出すことにします。魚探を見ていると、水深はボートが振れるたびに数m変化します。底はかなり変化に富んだ岩礁のようです。
1本目の竿は4号・6m1本鈎・クッションなし、2本目は8号・4.5m・2本鈎・クッション1mです。それぞれ海面から15~12mのあたりにビシを置き、3~5分程度を目安に順番に打ち返します。
竿を出してから30分。アタリはありません。ただ、一定時間毎に仕掛けを上げ、配合餌入りの撒き餌を詰めて打ち返すことだけは続けました。この繰り返しの間にも、少しずつアンカーはズレているようで、GPSで見るたびに位置は微妙に動き、水深も少しずつ変わっていきました。
魚探の水深が24~22mを示すようになり、機械的な判断でビシを水深12mにセットしました。一息ついて海を眺めていた時、突如として状況は一変しました。
突然、竿先が「ギュンギュン」と暴れ出しました。1本目の竿です。
「
」
すぐに竿をとってゆっくり大きくアワセます!
強い突っ込み。一瞬青物かと思いましたが、すぐに解りました。これは真鯛の引きです
突っ込みのたびに、3kg程度に調整してあるドラグがギュルギュルと引き出されます。良型の可能性が高いです。この竿はハリス4号6m・クッションなしですが、ドラグのおかげで安心してやりとりすることができました。
水面下でも暴れましたが、じっくり弱らせてからネットイン。無事フィニッシュです
40cm強の良型です

まだい、マダイ!真鯛!!
この1枚、奇跡的と思いました。今日の釣況を一変させる1枚。そして予想外のタイミングで今年の目標を完全達成する1枚です。サイズも先日のワラサ乗合船での1枚(36cm)を上回ってます。絶望の果て(おおげさ?
)に頂いた海の神様からのプレゼントと感じました。
写真撮影より前に、即座に鈎を外して仕掛けを再投入します。もちろんタナは同じ12m。
そして次に、急いで2本目の竿の仕掛けを交換します。今度は6号・8m・1本鈎にしてみました。ハリス号数と長さ以外の構成は6m仕掛けとほぼ同じですが、ビーズが変えてあり、クッション1mを付けてあります。この竿のタナは1本目より1m深くします(クッションの分、実際には2m程の違いになる想定)。
そこまで進めてから、あらためてボート上に横たわった真鯛を眺め
、写真撮影です(上の写真がこの時のものです
)。
アタリは続きませんでしたが、この1枚の存在は考えれば考えるほど驚きであり、嬉しいものでした。一瞬、早上がりを考えたほどです。
でも、この後も鯛がアタる予感がありました。真鯛は必ずまた回ってくると思われます。
その直後、2人乗りの船外機ボートが近づいて来ました。朝方ボート乗り場でご挨拶させて頂いた方々です。
「調子はどうですか?」声をかけていただきました。
「アタリは1度だけですが、真鯛が釣れました~」
「おめでとうございます
」
こんなやりとりをさせて頂きました。この時、僕はどんな顔をしていたんでしょう?自分では思い出せません。時計を見るとちょうど12時でした。
この時のボートの位置の参考です。
その後も、竿は常に一定のペースで打ち返します。
次のアタリは12分後に来ました。35cm程の食べ頃サイズです。
手尺で37cm。食べ頃サイズ?
そして、その30分後にまた同じサイズ。
同じ仕掛けにしか掛かって来ません。
両方とも1本目の竿に来ました。水深の半分ほどのタナです。どうやら今日はこの場所のこのタナが真鯛の回遊コース?になっているようです。
その20分後(PM1:00頃)、眺めていた竿先が目の前で深くお辞儀をして海中に突っ込みました。今までで1番の大アタリです
「
」
急いで竿を手にとると、重さがありません
。どうやら鈎が外れてしまったようです・・・
。仕掛けを上げてチェックすると、なんと鈎がありません
切れたハリスをよく観察するとブタの尻尾になってます
。
強度的にはチモトが切れるはずはありません。どうやらこれまでに釣れた真鯛の歯でチモトが傷ついていたようです。ハリスは必ずチェックしていましたが、チモトまでは見ていませんでした。反省です・・・
。
もう沖上がりが近い時間です。せっかくの大アタリを無駄にしたことを悔やみました。
でもすぐに気持ちを切り替え、ハリスを1cmカットして鈎を結び直しました(船上で鈎結びをする時も、強度に自信をもって結べます。過去の実験の成果を感じられる瞬間です
)。
そしてその15分後、結んだばかりの鈎に何かが食いつきました。
またしても竿先が海中に突っ込み、すごい勢いでドラグが鳴ります。これは最初の1枚よりも数段強い引き込みです!良型のイナワラ?引き込みに慎重に耐えているうちに解りました。これは間違いなく鯛、それも大鯛の可能性が高いです
この竿は真鯛釣りのために購入したムーチングロッド。クッションなしの4号ハリスですが、ドラグの働きと、根本から曲がっている竿身が強力な引き込みを完璧にいなしてくれました
。
水面下に揺らめく白い魚体が見えた時、僕はその大きさに息を呑みました。
借り物のネットからはみ出してます•••。
信じられない大鯛です
。今までのサイズと同じタナでこんな大物が掛かるなんて考えてもいませんでした。すべてが予想外。いつもは良くない運が、今日に限っては良い方に転んでくれた・・・。そんな、「運」だけの釣りです。
この時点でPM1:20。沖上がりをPM1:30に考えていましたし、今の1枚が35Lクーラーをほぼいっぱいに埋めてしまったので、これで終了です。
大鯛が掛かる前から放置状態だった2本目の竿を上げにかかってみるとなにか重い
引き揚げてみると、驚いたことに真鯛が付いてました。おそらく大鯛と格闘している時に掛かっていたんだと思います。今日5枚目の真鯛です
。
まったく気付きませんでした(>_<)。



いったいなぜ釣れたのか?あんな浅い水深で、それも真鯛だけ。しかも大鯛まで!いくら考えても、何もわかりません。僕の力ではありません。
「運」?・・・それとも、これのおかげ?
父の日に9歳の娘から貰った真鯛のお守り。
それとも、今回は父と叔父が釣らせてくれたのでしょうか・・・?



【下船後】
下船して釣果を報告すると、社長さんもsatoshiさんも喜んでくれました。本当に暖かい方々です
。大鯛の計量をしてくださり、68cm・4.2kgと判明しました。
自分が釣った魚には見えません。
計量後、僕の次に戻ってこられた手漕ぎボートの御仁はさらに大きな真鯛を釣っておられました(71cm・4.8kg
)。クーラーボックスを拝見すると50cm強のイナダも入っていました。青物も回っていたんですね
!(僕はまったく気配を感じませんでした
)
自分の釣果のうち2枚は、なかねボートさんに差し上げ、真鯛3枚を持ち帰りました
。
釣果:マダイ5(最大68cm・4.2kg)、カサゴ3(リリース)



本文を読んですでにお気づきの方もいるかもしれませんが、今回は釣り自体の内容以外でも、失敗だらけ?の釣行でした。
【本日の失敗リスト!】
・持ち込んだ新品のランディングネット、やはりちょっと小さかったです。心配した大吟醸さんがご自身のネットを貸してくださりました(大さん、有難うございました
)。
・今日こそは!と気合を入れて「バナナ」を準備したのに、車の中に置き忘れてしまいました
。
・タナ取り作業にリズムを与えてくれる便利なストップウォッチ。途中で海水をかぶって壊れてしまいました
。
・魚の気配がなく、打つ手が外れ、焦っているうちにiPhoneがバッテリーが切れに。GPSログが取れませんでした
。



いろいろと課題を残した今回の釣りですが、間違いなくこれまでの手漕ぎボート釣り人生最大の好釣果です。家族も喜んでくれました
。
しかし疲れました。考えてみれば今年はここまで夏の釣りをしていません。体が夏の海に慣れていなかった感じもします。暑い中、好き好んで海の上に出る人種は、本当にモノ好きなのかもしれませんね
。
仕掛け等の細かい内容は、後日補足記事にてご報告させていただきます。
ブログ1周年の記念にちょっと釣り運を借金した気分?今後の釣り運が心配です
。