摩訶不思議釣行?の詳細です
今回の釣行は、たぶん僕の持ち合わせた運命ではボウズだったに違いありません。
神様(か天国の父や叔父?)が、その運命に同情して差し入れをしてくれたような、そんな気がします
。
これまでに経験のないことが3つも重なり、この日の食卓は不思議な味で満たされていました
。
魚はほぼ釣れませんでしたが、今回の釣りは潮を変化を考える上でとても勉強になる良い釣りでした。
まずは釣行の内容をざっとご報告して、そのあとにいろいろ重なった不思議などについて振り返ってみたいと思います。
それでは今回の摩訶不思議釣行記、スタートです
(前回の簡易版形式が思いのほか評判良かったので、今回もエッセンスになるように頑張ります
)



前日に休暇を出したので、今回も予告記事ナシでした。
今回の釣行に賭けたテーマは1つだけ。
「青物狙い
」それも想定は5~6kg程度のワラブリクラスです。
今週はまだ1週早いかな?という気持ちがあったのですが、2回はチャレンジしたいと思い、早めのトライを志しました
。
仕掛けはすべて作り直しました。ビシ仕掛けは5号から8号、泳がせ仕掛けは12号ハリスです。特に泳がせ仕掛けはブリクラスも視野に入れ、何本も引きちぎってテストした上で完成させた渾身の作品です。
昨年から引きずっている悔しさを準備段階にぶつけました。思いっきり準備すると、これで釣れなかったらしょうがないかな?という気持ちになれることが分かりました
。



AM5:40、大津港到着。まだ暗いです。
風もなく、海は穏やかそうです。
トビも遠く、ソテツも微動だにしません。久しぶりの穏やかさです。
予報はここ目ぐるましく変わりましたが、どうやら最後に良い方に傾いたみたいです。
今年の僕は釣りキチ先生の出撃と被った時は凪に恵まれます。今回も偶然先生が来られる日
また先生の晴れ男パワーにあやかれたみたいですね
。
(逆に言うと、先生がいない時は結構ひどい目に遭ってます
。前日に天気図を見て決めた出撃でもですよ?
)
出船前に嬉しいハプニング
後ろから肩を叩かれ、振り向くと「Kagoturiさん」と「Yさん」コンビが

Kagoturiさんとはえらいこっちゃ会でお会いしたことがありますが、海でお会いするのは初めて。Yさんはまったくの初めてです。今年、伊勢町・油壺でも暴れまわっている噂のYKKチームさんです


平日ということもあり、今回KAKEさんはお仕事とのこと。きっと手につかないでしょうね
。
※Kagoturiさんは5週連続の釣行と後で気づきました。この秋の気合、凄いですね

大津港の朝は平日だというのに、とってもにぎやかでした。
隣の方といろいろお話していると、スーツ姿の大吟醸さんが登場
大さんいつも有難うございます

ボート乗り場でスーツ姿の人を見かけたら、たぶん大吟醸さんだと思います。
釣りキチ先生がお見えになりません。結局朝方はお会いすることができませんでした。
(道路渋滞で出船時間に間に合わなかったそうです。遠方から来られる先生はいつも本当に大変と思います
)



AM7:00ちょうどに岸払い。
まずは泳がせのアジを釣るため、中根の根際からスタートします。アジを確保したら、さらに潮通しの良い西方向に移動していく作戦です。
潮が予想と逆向きに流れていることに気づきました
。下げ潮の流れだしが遅いだけかな?と思い、気にせずに潮変わりを待つことに。
待つこと1時間。AM8:30頃、ようやく潮が西に傾き、コアジが釣れ始めました
。コアジに混じり、1匹だけ中アジが釣れました。即、泳がせ釣りもスタートです
ちょうどこの時、ちょっと離れていたところで流し釣りをされていたKagoturiさんがこちらに移動してこられました。様子をお聞きすると、鯛ラバで3kgくらいの真鯛をゲットされたとのこと
素晴らしいです
最高にKagoturiさんらしい獲物ですね~


やっと釣りが始まったと思ったら、ほんの10~15分でまた潮が岸からの流れに戻り、魚の気配が消えてしまいました
。我慢の釣り、と覚悟を決めます。
しかし、潮は弱くなってフラフラと舞いはじめたものの、一向にポイントに合う潮になりません。底潮は流れておらず、ビシ仕掛けは頻繁に絡んでしまいます。
AM10:00頃、しびれを切らして移動です。小移動して岸からの潮を意識したポイントにアンカーを打ち直します。しかし、潮を見ると弱い北西からの潮。ほんの50mしか移動してませんが、潮がまるで違います。移動は裏目に出てしまったようです
。
(底潮は流れていないので、表層の流れに踊らされてしまったこと自体が良くなかったと思います)
相変わらずエサもほとんど取られないような状況が続いていましたが、一度だけ泳がせ竿に変化がありました。竿先が上がり、ラインがフケたんです。
「?」
釣りキチ先生が前回の釣行でスズキを釣られたのを思い出し、スズキが喰いあげたかと思って慌ててビシ仕掛けを巻き上げました。しかし、すぐに竿先にはオモリの重量感が戻って、何事もなかったかのような様子になりました。
しばらく様子を見ても本アタリは出ません。喰わなかった?それとも波の加減がアタリっぽく見えただけ・・・?
泳がせ竿はそのままにして、改めてビシ仕掛けを投入しました
。
既に下げ5分の頃合いですが、底潮はほとんど流れず、表層ではあっちこっちに舞ってます。この状況では、打つ手が絞れません。
ヤマカンで移動してみるしかないかな・・・。
そんなことを考えて、一度仕掛けをあげることにしました。
泳がせ竿を巻き上げ始めると、ズシッと何かに引っかかる感触がありました
。まさか、海中ロープ??しかし、重いですがラインは巻き取れます。魚の引きは感じられず、何かゴミが引っかかったように重さだけを感じます。
海藻か、ビニールかと思いながらリールを巻き、海中を覗き込んでみると・・・。針にくっついていたのはなんとイカ
それもまさかのアオリイカです


アジに抱き付いてるだけかと思いましたが、暴れる気配もなくタモ入れ成功。既にアジはカケラも見当たらず、孫針にしっかり胴体がフッキングしてました。
アナタ、貴重な中アジを食べ尽くしてしまった方ですね?
アオリイカ・・・。アオリイカ

大津でアオリイカが釣れたなんて聞いたことがありません。泳がせのアジに抱き付いてきた話は何度か聞いたことがありますが、ほとんどシリヤケイカです。スミイカ(コウイカ)も聞いた覚えがありますが・・・
。
魚の気配のない状況で、まさかの外道中の外道。それも沿岸性のイカの中で最高に美味しいアオリイカです
「釣った」気は一切しませんが、嬉しすぎるハプニングでした
。
ブリを願いながら力一杯結んだあの孫針。掛かる獲物が、まさかアオリイカになるとは・・・。
このハプニングでしばらく移動が遅れましたが、やはりこの場所では魚の気配がありません。
ここから、しばらく中根の西から沖の小漁礁に向かうエリアを彷徨いました。しかし、どこに行っても潮は定まらず、エサ取りの活性も低く、魚の気配は感じられません
。
正午近くなると、風も定まらなくなり、ボートが安定しなくなりました。秋晴れで、穏やかな凪の海なのですが、潮も風も落ち着かず、打つ手が思いつきありません
。
潮は既に下げ9分。潮止まり目前です。ここまでほとんど潮が定まらなかったので、今日は上げ潮優位なのでは?と考えました。穏やかな海でもあり、最後の時合に賭ける場所を、目いっぱいの沖合いに求めてみことにしました。
アンカーを揚げ、少し沖に出てから、沖の小漁礁方面に漕いで行きます。
沖の小漁礁までまだ距離があるところで、岩礁の反応がある地形変化を見つけました。気になる感じがしたので、ダメ元でこの場所に賭けてみることにします。かなり沖合いです。風が南寄りに変わったら、すぐに避難しなくてはなりません。風に注意しながら急いで釣りに入ります。
潮は南東から弱く流れていました。底潮も少し動いているようです。向きはともかく、流れが出てきたことは歓迎でした。
しかし、この場所は北西にカケ下がる場所なので潮裏。やはりダメです・・・
。ダメ元で仕掛けを打ち返し続けます。最後の時合が2時頃に来ると信じ、青物の回遊を待ちます。
ビシ竿の動きがちょっと変になりました。竿が不自然にしなってます。アタリかと竿を持つと、ズッシリと重いです。
魚の引きのようなズンズンとしたリズムを感じるような気がしましたが、ある程度リールを巻くと、徐々に重みが増し、ついに巻けなくなってしまいました
。
これは・・・海中ロープの手ごたえです
。
まさか、こんな場所にロープが沈んでるなんて・・・。相当な沖合です。海苔棚からはるか遠く離れてます。
最後のチャンスをかけた場所でのあんまりな展開にガックリしながらPEラインを強く引くと、仕掛けが切れ、ビシと天秤は回収できました。
はぁ・・・。
PM2:00頃から、潮は北西からの流れに変わり、ようやく魚の気配が出てきました。タナ取りも形になってきたんですが、結局、時間いっぱいのPM2:30まで粘ってもアタリを出すには至りませんでした
。
船内をすべて片付け、最後に泳がせの竿も撤収しました。今日の釣りは終わり。無念の納竿です・・・
。
アンカーを引き揚げ始めると、途中にハリスが絡みついていることに気づきました。誰の仕掛け??
見覚えのあるウィリー針が目に入ります。あれ?僕のだ
。
そうか
さっき仕掛けが絡んだ海中ロープはアンカーロープだったんだ
風も潮も弱かったので、たるんだロープがボートの真下に来てしまってたんだ
あれ?
あれれ???
魚がついてる


なんと、アンカーロープに巻きついた仕掛けの先に、大アジが付いてます
まだ生きてます。どうやら、1時間以上もの間、針が外れずに、仕掛けと一緒にアンカーロープにくっついていたようです
。
信じられない形ですが、そのままタモ取りしました。
1時間以上も口切れしないでいたなんて・・・。奇跡的?
このアジ、一瞥した時から変な感じがしました。いままでに大津で見たどの大アジとも姿が違います。頭と尾は小さいのに、胴回りがやたらと太いです。
ヒレの先とゼイゴが遠く、小離鰭があるので、マルアジに間違いありません。でもこんな姿のマルアジは見たことがありません。36cm。大きくて、太いです
。
これは「釣った」とはやはり言えませんね。「捕まえた」という感じでしょうか
。
泳がせでアオリイカ。
アンカーに1時間くっついていた大アジ。
今日の釣りはなんだか変で、不思議だらけです。
まさにキツネにつままれたような日でした
。



沖上がりが遅くなってしまったので、帰港も3時を過ぎていたと思います。若女将さんから「たった今、釣りキチ先生が帰った」と聞かされました。
慌てて岸壁の車の方に向かうと、ギリギリ車に乗った先生を捉えることができました
。ご挨拶。今日は難しくてダメでした、と伝えると、先生も今回は少し元気の出ない状況だったようです。
(といってもさすが先生。中アジ込みで20匹も釣果を確保されてました
)



釣りの中身はこんな感じです。
これってやっぱり「魚釣りはボウズだった」ということですよね
。
凪の海。定まらない風と潮。なぜか手に入った珍しい獲物。
どことなく異次元に迷い込んだような、不思議な1日でした
。



では、字数が増えすぎない程度に1つ補足を入れておきたいと思います。
Q.冒頭で言ってた「3つの不思議」ってなに?
A.当日の夕食を飾ったこのコラボです
・アオリイカのお刺身。
・デブマルアジのお刺身。
・カワハギのキモ醤油。
実は、釣行前日に家に帰宅したら、隣の釣り好きの旦那さんから、今日釣った「カワハギ」が6枚も届いてました。それもかなりの良型揃いです
すぐに捌き、夕食でカワハギのお刺身に舌鼓
良型は大きな肝が入っていて、当日の肝醤油だけでは半分も食べきれませんでした。
釣行前夜に魚をさばいて食べるなんて、初めての経験です。
頂いたカワハギ達。
肝!きも!キモ!!
それがどうしたの?
今回の釣りと関係あるの?
釣りには関係ないんですが、味に関係があるんです

今回のアオリイカ、お刺身はねっとりとして甘みが強く、最高の部類でした
。エンペラやゲソのバター炒めも、家族で奪い合いです
。
そしてさらに驚いたのは「デブマルアジ」。信じられない脂の乗りと味の良さ
アジというより、トロサバの刺身に近い感じです。それも当りサバ中の当りサバクラス??我が家では「ワラサどころか、寒ブリより美味しい
」という評価に
。
僕自身も、今まで釣ったすべてのアジの中で1番に挙げても良いと思いました。いつものマアジの美味しさとは違うので比較は難しいですが、マルアジもこんなに美味しい場合があるんだということに、本当に驚きました。もう2度と出会えないかもしれませんが・・・
。
で、これらの美味しいお刺身の傍らに寄り添っていたのが「カワハギの肝醤油」だったんです
それもタップリ


お刺身に付けたり、そのままゴハンに乗せたりして、ただでさえ最高なイカとアジの刺身に、さらに贅沢な変化が加わり、夢心地な夕食になりました
。
お皿も盛り付けも色気がまるで無くてお恥ずかしいですが・・・。
エンペラとゲソのバター炒め。やっぱり新鮮なイカはどう食べても美味しい!!
釣りはボウズだったのに・・・。
世の中には不思議なこともあるものですね
。



難しかった潮の話や、仕掛けなどの詳細は別途の補足記事にしたいと思います。
青物リベンジは持越し
でも海の神様の恵みに、いつにもまして心から感謝を捧げたいと思います
。