2ケ月半振りの手漕ぎボート釣り。初の観音崎です
・大潮の後の中潮でしたが、あまりの潮の速さに度肝を抜かれました。
・メバル狙いのポイントを教えて頂き、潮が変わるまで移動せず釣り続けました。
・潮の緩急に関わらず、常にイワシの大群が回っていました。
・釣果は振るいませんでしたが、魚影の濃い海であることが垣間見えました。
・ハイライトはドチザメ?^^;
それでは詳細をご報告します。



平成24年4月25日(水)、観音崎・なかね貸ボート店さんから出船しました。潮は大潮の後の中潮。干潮PM1:06。中潮とはいえ、AM6:08の満潮から150cmも潮位が下がる日です。
天気予報は曇り
のち晴れ
。風は朝方が北寄りの風3m、午後に南風に変わる予報。良好です
。
前日になかね貸ボート店さんに電話してボートの予約をしました。「手漕ぎで平日だったら予約なしでも大丈夫だよ」とのお言葉がありましたが、予めお願いすると撒き餌の解凍もしておいてもらえます(1ブロック300円)。休日は手漕ぎでも予約が安全?かもしれません。
出船時間はAM7:30。ただし車で来る場合、近くの県営駐車場に停めることになるのですが、その駐車場の開場はAM8::00なのでご注意ください(後述しますが、大津と違って観音崎は定時に出船する必要が無いことも多いようです)。
平日釣行なので佐原の「釣り具のタックル」さんは朝は開いてません。なかね貸ボート店さんも大津の石田ボートさんのように仕掛けやエサが購入できることが、とても便利で助かります
。
自宅をAM5:00出発。平日は環状8号線が込むことが多いので心配しましたが、それほどロスタイムなく通過。馬堀海岸IC近くの風速表示は「1m/s」。テンションがあがります
よく見えませんが「風速1m」と表示されてます。
AM6:30、なかね貸ボート店さんに到着。まだお店が開いてません。ちょっと早く着すぎてしまったようです。ここは小さな入り江の砂浜になっていて、とても綺麗な場所です。
こじんまりと景色に馴染んだ感じのお店です。
綺麗な浜辺ですね〜。
7時前にご主人が来られました。お若くて「ご主人」というより「お兄さん」という感じです。気さくで親切な方で、ポイントのこと、常連さん方のこと等、色々とお話しを伺うことが出来ました
。
今日の希望はメバルかアジということ、そしてまったく初めてなので、オススメがあればそのとおりに行動します、と伝えると、お店の前方、水深35m付近が良いのでは、とのことでした。
ご主人と会話していると、キャップをかぶった老練な紳士が現れました。「社長」と呼ばれる常連さんです。この方も初対面にも拘わらず気さくにお言葉をかけてくださいました。
メバルかアジを釣りに来た、と僕のことをご主人から伝えられると、「では今日はメバルを狙いましょう」と仰り、その後、この日のポイントやアンカリングのアドバイスはすべてこの方がご指導くださいました(海の上で携帯電話で会話してまで
)。こんな親切はなかなか無いと思います
。
AM8:00頃に岸払い。見たところ出船は僕だけ。後から感じたのですが、常連さん方はいつも朝イチ出船をする訳ではなく、潮の早い時間を避けて出船されるのが常識のようです。
また、2馬力船外機に乗られる方々も多いみたいですね。
これはボートを出す前の写真。乗る時は浜に出してくれます。
沖に出てからお店に電話をします。すると社長さんから「あと40m沖に出て」等のご指導が有って、アンカリングポイントに導いてくれます。「そこらで落として」。アンカー投入です
ここで観音崎が大津と大きく異なる点が現れます。大津では「ポイント付近にアンカーをうって釣る」のが普通ですが、観音崎では「根やカケアガリの数十~100mほど潮上にアンカーをうって、ズルズルと潮に流され(走錨)、アンカーが引っ掛かって止まったところで釣りをする」スタイルが普通のようです。社長さんのご指示のアンカリングポイントは、この走錨分を考慮した場所なのです。
今回のアンカリングもうちょっと具体的に説明すると・・・。
まず、沖に出た時点でとても速い潮流にさらされました。漕ぐ手を止めるとすぐにかなり流されてしまいます。Aがアンカー投入地点。Bがカケアガリにアンカーが引っ掛かってボートが止まった地点です。
アンカーが効いたことを確認し、すぐに実釣開始です
しかし、すぐにまた何度も驚愕してしまいました
。多いので箇条書きにします
。
1.80号ビシは論外として、120号シャベルビシでもラインがが斜め45度に入っていきます。
2.海底からタナ取りをしてすぐ、ラインが糸鳴りをしていることに気づきました。竿から手元にビリビリと伝わってきます。潮がラインをこするだけでこんな振動が・・・。
3.シャベルビシからの撒き餌の出具合を調整しよぅとしたのですが、「上下全閉」にしているのに、10分と経たずにビシがカラッポに!(置き竿にしてるだけでですよ?)
4.120号シャベルビシが潮の抵抗を受けている状態。めっちや重いです。魚が掛かってるわけでもないのに120号負荷の竿が根本から曲がります(5:5調子の竿ではありますが^^;)。
5.さらに・・・。早い潮に乗って大量の海藻が流れてきます。それがラインに絡まります。絡まった海藻が潮の力で次々と斜めになったラインに沿って沈んでいきます。そしてビシのところまで行って溜まります。「120号ビシ+溜まった海草+激速潮流」の抵抗。これは想像以上の重みでした。ただの打ち返しが労働になります。
6.AM8:30の潮の状況。付けエサのオキアミを1匹海面に投入すると、4~5秒ほどで視界から消えます。1秒に1m以上流されてます。大津で経験した1番早い潮の倍の速さです。
7.表層の方が潮が速いでず。ただし、底の方もかなり早い潮が流れていることは間違いありません。地形が変化に富んでいるので、表層と狙いのタナでは潮の向きが違うことも想定に入れなければなりません。
ボートが常に揺れます。波で揺れているのではなく、潮流に弄ばれて揺れるんです
。舳先は潮を切っていますし、船体は常にパチャパチャと音を立ててます。感覚としては、常にスローモードの曳舟サービス (葉山等の)でボートが曳航されている感じです。
これで大潮じゃないとは・・・。
驚傍の潮流の話だけでだいぶ記事が膨らんでしまいました。そろそろ先に進みます
。
とにかく、潮が緩むまでは何もできない(撒き餌の無駄)と思い、置き竿1本で様子を見ることにしました。自作のエステル3号・全長4m・3本針仕掛けです。エダスはビシに寄せ気味でビーズ付き。先針だけ遠めになってます。
ポイントの状況を書いときます(驚愕の連続で話が混乱気味
)。
水深は29m。底質は完全な砂地です。アンカーが引っ掛かっているカケアガリの上にある小棚のような場所だと思います。アンカーが引っ掛かっている水深はおそらく40mほど。そこから一気に10m程もカケアガった場所。アンカリングの経緯を考えれば当然のように潮表です。
砂地の小棚。
10~15分おきに少なめの撒き餌を詰めて打ち返すだけで、あとは放置プレイにします
。
AM8:30 クラカケトラギス
いつも1回は会います。
観音崎最初の獲物はこいつでした。どこで釣ってもよく会います。真ん中の針に掛かりました。こんなに早い潮でも喰う魚はいるんですね!ビシが底から5mの時に掛かってました(アタリは解りませんでした)。
この潮であれば仕掛けも底から4~5mは離れているはず。誘ってもいないのにトラギスがそんなに浮いてきた?おかしいです。おそらくボートの位置より潮下側は更に駆け上がっているんでしょう。ビシが流される距離と仕掛けの全長のせいで、仕掛けが砂地のカケアガリに這っているのかもしれません。
タナを2m程上げます。
AM9:00 メバルとマイクロカサゴの一荷
本命!\(^o^)/
ここにもやっぱりいるんですね。色が綺麗です。
更に潮が速くなりました。まさに「川」です。耳を澄ますとせせらぎの音が聞こえてくる気さえします。そんな中、明確なアタリがあり、メバル(とマイクロカサゴ)をゲット
2匹ともエダスに掛かってました。メバルは今日の本命です。ボウズ逃れ&自作仕掛けでの本命ゲットでひと安心
。しかし、こんな急流でも魚が喰うんですね。底の方は幾分流れが緩いのでしょうか。
AM10:00 ウミタナゴ×2
嫌いじゃありません。
少しだけ潮が緩んだ気がします(でも依然激速)。仕掛けを打ち返し、ビシが底から4mの位置から誘いを入れて7mで置き竿にした直後にヒットしました。エダスです。お腹が膨らんでいますが良型なのでキープ(帰宅してから罪悪感を感じることに・・・
)。
仕掛けを再投入して同じタナを攻めると、すぐに再度のアタリがあり、ほぼ同じ型のウミタナゴが釣れました(これもエダス)。これもキープ。ウミタナゴは嫌いじゃありません。でも2匹いれば十分かな
。
AM11:15 トラギス(婚姻色?)
婚姻色のアイナメみたいな色です。
11時頃、潮が明らかに緩んできたので2本目の竿を入れました。フロロ4号・6m・3本針のマダイ仕掛け。これは市販仕掛けです(ハリスの長いふかせ仕掛けはふかせ具合が難しく、まだうまく自作できる自信がありません)。ポイント的にマダイは狙っていませんが、潮が速いので少しでも長いハリスが合うかと思って投入してみました。この竿のビシは底から10m切ります。以降は2本目の方を置き竿にし、最初の竿は撒き餌を惜しまずに誘いを入れるようにします。
AM11:20 メバル2連続(正確には3連続)、そして・・・。
最初の竿の仕掛けを打ち返し、ハリス分からスタートして2m誘ったところでガツンとヒット
メバルです。続けて同じタナを誘ったらまたガツン
2連続です。時合が来たと確信します。しかし、3度目の仕掛けを再投入した直後、置き竿の竿先が海に突っ込みました。7:3調子のワラサ竿がグングンと胴からしなります
これは大きい

すぐに竿を変え、ファイト開始です。最初の竿の様子から首を振る魚であることは解りました。期待が高まりましたが、1分もしないうちに「これはサメだ」と確信しました
。とてつもない重さ。時々グングンと首をふるものの、シヤープさがありません。長い魚の感じです。
ここで悩みました。選択肢は2つ。「釣るか?」「切るか?」。
貴重なメバルの時合です。サメに構っているのは時間がもったいない気がします。でもサメを放すと魚が散っちゃう可能性もあるかもしれません
。また、ラインを切るにしても少なくともビシと天秤は回収したいです。つまり、どちらにしても魚を浮かせるまでは頑張らないといけません。
そして、あと3つ理由があって、僕は「このサメを取り込む」ことに決めました。
理由は以下です。
1.この竿とリールは昨年9月にワラサ乗合に乗る話があった時に一大決心をして購入したもの。手持ちの中で1番値の張るタックルです。竿のパワーと、リール(電動リール)の扱いに慣れるために、最後まで戦いたいと思いました。
2.この竿、この獲物が初ヒットです。つまり、竿の「魂込め」になります。今後の竿の運勢がかかっていることを考えると、この獲物は逃せません
3.相手はたぶんドチザメでしょう。おそらく針掛かりした魚に食いついたんだと思います。以前、KAKEさんのブログで大きなドチザメを取り込んだ写真があったのを思い出しました。「こんなのよく取り込めたものだなぁ」と感じた覚えがあります。つまり、頑張れば取り込める可能性はある、ということです(とてつもなく重くて不安はありますが)。
そして、ファイトを再スタートしました。
最初、電動巻き上げにトライしましたが、リールが悲鳴を上げるぼかりでほとんど巻けません(4号ハリスなのでドラグもガチにはしていません)。壊れてしまったら最悪なので、電動巻き上げはすぐ封印しました。竿を立て、手巻きで少しずつポンピング。暴れたら竿で耐えつつ、最低限のラインを出すという繰り返しです。
20分ほどかかって、ようやくビシが見えました。ビシの次に見えたのはなんと「メバル
」(これでメバルは3連続ヒットです
)。そして、気絶してやる気のないメバルの向こうに、巨大なグレーの長い影が見えました。やはりサメです。
一度浮かせてからも、このサメは6回引き込みました。先針に掛かっており、天秤から7m以上先(50cmのクッション有り)にいるので、ハリスを手で手繰るのが大変です
。竿もクッションもない状態でハリスを手繰るのは危険でもあります。もし指にラインが絡みついた状態で引き込まれたら・・・。怖いです
。
そして7回目のチャレンジで、ようやく巨大なサメの頭がタモに入りました
すかさずタモと腕で抱き上げてボートに取り込み
時間はAM11:55。35分程かけての取り込み成功です
。
デカ!太!持ち上がりません。一体何キロ?
でも、タモが名誉の犠牲を遂げてしまいました・・・。
軽々とひん曲がりました。
やはり「ドチザメ」です。しばらくボート上で暴れて大変でした。メジャーを忘れてしまったので、手尺で計測(仕掛け作り用に手尺は訓練しています)。126cm。体表で測っているので弧を描いた距離です。実際は120cmくらいだと思います。
しまった
人生最大魚を更新してしまった

(これまでの記録はハワイで釣った115cmのサワラ)
迂闘でした・・・。この記録をまともな魚で更新することは不可能に近い気がします
。
すぐにメバルの方も回収、船内の整理。そしてドチザメの写真をとって、釣りに戻ります(サメ放置)。
しかし時間はすでに正午。潮はほぼ止まってしまっていました。風も止まりました。海は完全な凪です。メバルはもう掛かりませんでした(おそらくボートの位置もズレ初めていたはずです)。
穏やかで気持ちよく、ちょっと暑いです。
PM0:15 イワシ
まあまあな型です。
竿を打ち返していたら、イワシが付いていました。このままもう一度仕掛けをおろそうかと思いましたが、エラが切れてしまっていたので諦めました。
PM0:30 ミニカサゴ一荷
潮が止まったため、仕掛けがカケアガリに着底しているようです。ここで手を考えます。これまで書きませんでしたが、実はイワシの大きな群れが朝からずっと中層を回遊しています。他の魚は望み薄なので、イワシを釣ってみようか、という気持ちが湧いてきました。
色々思案していると、なかねポートさんから携帯電話に着信記録が入っていることに気づきました。すぐに電話を掛けます。すると、社長さんからまたアドバイスがありました。
「潮が止まって流され始めてるから沖に移動して」
沖を見ると北西に1艘のボート、北東に2艘のボートが見えます。話を聞くと、北東の2艘のボート付近でアンカリングすれば、流されて北西のボートのあたりでアンカーが効くはず、ということらしいです。
アドバイスに従い、仕掛けをあげて準備します。置き竿の仕掛けをあげてみると・・・。
見事です!
本日の最小記録。「イワシの頭・3cm」です
。しかも一荷で釣れました。おそらく良型メバルの仕業でしょう。頭まで食い込んでくれれば針掛かりしたのに・・・。ちよっと悔しいです
(イワシが掛かったことにも気づいていませんでしたが
)。
これで確信が持てました。イワシを釣って生き餌にすれば何か釣れるはずです
まずはアドバイス通りにボートを移動し、アンカーを投入(移動前にサメをリリース)。ボートの移動をする際、南風が吹いていることに気づきました(予報通りです)。そして今度は仕掛けをサビキに変えます。ところが、ここでミス発覚
。観音崎用に持ち物を絞り込んできた際、サビキ仕掛けは入れたんですが、サビキカゴを入れ忘れていました・・・。
サビキ仕掛けだけ垂らして誘ったり、オキアミを付けてみたりしましたが、イワシが掛かりません。イワシが釣れないと話が進みません
。
そうこうしているうちに、気が付くと南風がかなり強くなってきました。iPnoneで最新の予報を確認すると、これから6m/秒程度の風が吹くようです。潮もゆっくり(大津的に見ると早いレベル)流れ始めています。
ボートの位置を確認すると、アンカー投入位置より既に20m程も走錨しています(アドバイス通り)。このまま進むと、アジやマダイも狙えそうなポイントに寄って行くことになります。
ここで非常に悩みました。8mのマダイ仕掛けを投入して、走錨しながら釣れば、うまくポイントに撒き餌と仕掛けを流せるかもしれません。しかし時間はもうPM2:15。しかも南風が強めに吹き始めています。
この状態で朝方の激速の潮流が反対向きに流れ出すとすると・・・。岸に戻るのが大変になることが明らかです。ボート漕ぎにはある程度自信がありますが、あの驚愕の潮流を目の当たりにした後ではそんな自信は紙のように薄いものです。
結論として、沖上がりすることにしました。
今回の目的は観音崎となかねボートさんを知ること。釣果は二の次です。それに事前に設定した釣果目標は達成してます。これ以上欲は出さないことにしました
。
岸に帰ると、ご主人が波打ち際で待っていてくれました。今日初めて会った人なのに、なぜか顔を見るとホッとした気持ちになりました。
ご主人さんの親切さについてもうひとつ。
ボートの上で電動リールのバッテリー(iPhoneのサブバッテリーを兼ねてます)の端子のキャップを紛失してしまったんですが、下船後にご主人が見つけてくださり、わざわざ駐車場まで届けにきてくださいました。
「帰りの高速、取り締まりが厳しいから気を付けてね」
本当に温かなお心遣いです。心から感謝いたします
。
釣果:メバル4、ウミタナゴ2(以上持ち帰り)、ドチザメ(120cm)1、トラギス2、マイクロカサゴ3、シコイワシ3(2匹は頭のみ)
次回は釣果を追求しますよ〜
釣果は貧果に終わってしまいましたが、久しぶりに手漕ぎボートで海に出れて、心と体がスーッとほぐれて解放されたような気分です。また、秋のマダイ本番に向けて、この時期に観音時に行って本当に良かったと思います。想像だけでは、ここまで違う釣りだとは思いませんでした
。
今回の記事を読み返すと、難しさが際立つような印象になるかもしれませんが、魚種・魚影・サイズ、そしてボート屋さん。どれをとっても観音崎は第1級の釣り場だと思います。
釣りを通じた人や自然との出会いに、今日も感謝です
P.S.
記事長すぎ
7000字を超えてます(汗。前後編に分けた方がよかったかもですが、ちょっと後ろが立て込んでいて1本で出しちゃいました。開くのが重い記事になってしまったら申し訳ありません(>_<)。