【雑談】黒潮系の沖合水が入ってきているようです。
黒潮の分流がやや入ってきています。
6月10日16時、神奈川県水産技術センターから約3ヶ月振りの急潮注意報が発令されました。
急潮注意報は、海上保安庁の観測ブイ等が急激な水温の上昇を検知した時に発令されます。今回は城ヶ崎沖のブイによる検知で、明らかに黒潮系の沖合水(黒潮の分流) の流入です。
リンク → 急潮情報ページ(神奈川県水産技術センター)
※ちなみに読み方は「きゅうちょうじょうほう」です。
黒潮の蛇行状況と関東との位置関係から、いつ発令されてもおかしくないと思っていました。今回は大島東水道からの沖合水の流入、つまり、黒潮の分流が伊豆大島の東側から流れ込んできた、ということになります。
今回の角度からの流入だと、東京湾より相模湾に、より強い影響があるような気がします。

既にご存じの方も多いと思いますが、黒潮系沖合水が大島東水道から流入すると、相模湾に「サキシオ(反時計回りの潮流)」が発生することが知られています。噛み砕いて言うと、油壺辺りでは中層以下で北寄りの潮が流れているのに、表層では南寄りからの強い潮が流れるという、「明確な2枚潮」の状態が起こりやすくなります。
また、東京湾口では「3枚潮(※)」が起きることがあります。
※ここではいう3枚潮は東京湾内から出ていく潮流の、塩分濃度の薄い表層の潮と、塩分濃度の濃い中層以下の潮の「間」に黒潮系沖合水が入り込んんでいく現象のことです。
ボート釣りエリアで3枚潮を体験することはほとんどないかと思いますが、観音崎の本流寄りあたりでは、もしかすると現れてくる可能性があるかもしれません。また、東京湾の恒流と相殺する方向の潮であるため、大津でも通常より複雑で不安定な潮が流れやすくなる可能性があります。
釣り場における黒潮系沖合水は「水温が高いこと」と「澄み潮であること」が特徴で、表層付近に流れることが多いので、知っていれば実釣中に実感できる機会もあると思います。
急潮注意報は、ある程度規模の大きな流入の際に発令されるもので、発令の前後には小規模な流入が連続的に起こっていることが多いです。発令2日前の6月8日に大津に出た時も、梅雨の大量の雨が降った直後にも拘わらず表層は澄み潮でした(あくまで表層です。アジのタナは濁っていると思います)。
今回の流入の規模はそれほど大きくないようですが、現在の黒潮との位置関係が続けば当面は続くはずです。数回に亘って急潮注意報が出る可能性もあります。
黒潮が大規模に入り込んでくると、青物等の黒潮系の回遊魚の回遊が期待できます。また、時には南方系の魚が迷いこんでくることもあります。大津や観音崎でウスバハギやマトウダイが釣れる時は、黒潮の影響が強く出ていると言って良いと思います。
(個人的に、現在の状況なら油壺での泳がせ釣りが面白そう!と思います)
今後の黒潮がどのような動きをするかは、まったく予想できません。
でも今年の釣りが楽しくなる方向にうまく働いてくれるように、心から祈りたいものですね
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