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2014年1月27日 (月)

【温故知新】ブックレビューNo.1「ムツゴロウの大漁旗」

温故知新のブックレビューです


しばらく休漁期間になるので、その時間を何に充てようか考えました。その結論のひとつが「本を読もう」です。せっかくなので、有名な古典や、今後入手が難しくなっていきそうな本を中心に読んでみることにしたいと思います


ブックレビューと銘打ってしまいましたが、内容の要約(ネタばれ)等は極力控え、個人的な感想に軽く触れる程度にしよう思います。読むきっかけになったことも書き添えるつもりです







最初の1冊です


「ムツゴロウの大漁旗」畑 正憲 著(文春文庫1979年)


Bookreview1
206ページと薄めですが、小さめの字でぎっしり詰まっているので、見かけより読みでがあります。

動物学者で有名なムツゴロウ先生の書かれた釣りエッセイです。僕は学生時代にムツゴロウ先生の本を何冊か読んでいますが、釣りの本を書かれていたことは知りませんでした。たけちゃんさんのブログで紹介されていたので、読んでみることにしました



衝撃でした。


脳みそを直接両手でガシッと掴まれて、ユサユサと揺すぶられたようです。これまでの「釣り」に対する考え方のいくつかが、根本から揺らぎました。恐るべきはムツゴロウ先生の「知識欲」と「行動力」、そして「本物を求める執念」です


最近までの釣り経験のおかげで、ようやく理解が追いついたような部分もあります。また、予備知識が足らず、充分に理解できていない部分もあるかもしれません。もしかすると初心者向けとは言えないか、又は折に触れて何度も読み直すべき本なのかもしれません。


特に第3節「紀州のジプシー」は強烈でした。現在ではもう失われたであろう本職の中の本職釣り師達「雑賀衆(鉄砲で有名な雑賀衆と同じ地域です)」の姿を全力で追い求め、ついにその釣りを目の当たりにする話なのですが、熱くほとばしる何かが何度も深く胸に突き刺さってきました。そのエネルギーにあてられて、途中で何度か目を閉じ、体の震えを抑えなければなりませんでした。


他にも、鯉やハゼ、スズキといった身近な魚から潜水艦のよぅな巨大魚まで幅広く取り上げられますが、決して釣技をまとめた本ではありません。ムツゴロウ先生が体を張って追い求めた「本物」の探求記です。全編を通じて、都市化や釣りのレジャー化による「伝統の釣り」や「本来の魚の味」の消滅への哀歌のような心情がちりばめられています。


ドキュメンタリーだと思います。ムツゴロウ先生の筆力は、鋭く深い観察力に支えられて事実を克明に伝えます。伝統的な釣り方や、魚の習性に関する記述は、現在でもまったくその価値を失っていないと思います。いえ、むしろ時代が変わり、失われていく伝統の記録として、その価値を増しているようにも思えます


読み終え、日常生活の中で何度か反芻していたら、これまでにたけちゃんさんから頂いた言葉のいくつかが、自然と腑に落ちていきました。


素晴らしい本だと思います





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コメント

HEPPOさん、こんにちは。

うれしいですね~
ムツゴロウ先生わたくし大ファンでほぼ全ての単行本持ってます。
他も面白いのでぜひ読んでください。
何せ古い本なのでボロボロですがなんでしたらお貸ししますよ。

こんにちは
共感できる仲間が増えるのは嬉しいです
過去の思い出と重なる部分が増えたため、再度、感動するものですね
私の原点は井伏鱒二の川釣りからです
また、開高健の人脈を辿って広げていったような読み方でした
人の繋がりが新鮮で面白かったです
ただ思い出に魚は出てこない、姿を思い出すだけです

> kanさん
コメントありがとうございます!

kanさん、ムツゴロウ先生の大ファンでいらしたんですね!きっと世代も近いんでしょうね。
僕も先生の人生にとても惹かれたクチです。動物の話そのものより、先生の子供時代の満州での体験談などが深く心に残ってます。僕の中ではどくとるマンボウの北杜夫先生とならんで、果てしなく才能に満ちた独特の作家先生です。

良い本は時代を超えますね。というより、昔読んだ本を今から読み返すことがとても大切なことなんじゃないのかな?と思うようになってきました。

kanさんもやはり定期的に開かれてるんでしょうか?本そのものよりkanさんの本との付き合い方に興味があります!(^o^)/

最近はムツゴロウ先生のことをよく知らない人も多くてさびしいですよね。

> たけちゃん 様
コメントありがとうございます!

この本は本当に読んでよかったと思います。たけちゃんさんから得難い情報をいただくことは多いのですが、改めて心からの感謝を伝え申し上げます

他にも手広く本を物色していますが、面白くて思ったよりも嵌ってしまいそうです
井伏鱒二、幸田露伴、それに外国の本も・・・。でも訳あって今のところ開高健の本は避けています。

古くまでさかのぼると、ネット通販でも手に入らないものもあります。でもどうしても欲しいものも出てきちゃいますね。

釣りに行くことを忘れないように気を付けたいと思います

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