【妄想?】バネばかりによる市販仕掛けの強度比較!(その4)
4回目、引きちぎり実験も後半です。
なんとか区切りのつくところまでを、秋の釣りに間に合わせたいこの企画。さっそく再開させて頂きます。前回に引き続き、まずはお読み頂く上での注意点を挙げておきます。
≪注意点≫
・この実験は、少しでも外道のイナダに切られにくいアジ仕掛けを探してみよう、とスタートしましたが、あくまで素人の噂話の延長です(客観性はほとんどありません)。
・サンプル数が少な過すぎ、各メーカーさんの仕掛け強度や品質について評価する実験品質はありません。本当にいい加減なものです。
・僕自身は、ビシ仕掛けを自作していく上で、各メーカーさんごとに異なる市販仕掛けでの結び方や補強の行われ方などを調べる機会としてこの実験を捉えています。
・確認結果の耐荷重(kg)は、実釣中は様々な要素で低下します。例えば吸水性。ナイロンもフロロも吸水性があり、実釣中に吸水によって強度が低下します(塩水に4時間浸すと、どちらも20%ほど強度が低下するという報告もあります)。
→ 「クロダイ釣りの科学「ラインの引っ張り強さ」 ※以前、サイト主の小菅様からリンクのご了承を頂いております。
・キズ、ヨレによる強度低下も発生します。これらの要素を踏まえ、僕自身はドラグを仕掛け強度の50%に調整し、仕掛けを引き上げるごとにハリスとチモトをの状態をチェックするようにしています。初心者の戯言ではありますが、ひとつの考え方としてご参考頂ければ幸いです。
前回までは、同じメーカーの仕掛けのナイロン版とフロロ版を1セットにして確認を進めてきましたが、ここからは同一メーカーで同じ構成の2種類の仕掛けが入手できなかった分に入ってまいります。今回は「フロロ製」の2つのメーカーの仕掛けを取り上げてみたいと思います。
必然的にナイロン、フロロそれぞれ、これまでの確認結果と比較することになりますね。実験方法のイメージについては予告編でご紹介してますので、そちらをご参照ください。
この実験で引きちぎってみる仕掛けは全てハリス3号・3本針となります。
「ROUND7」
フロロ製仕掛け。今回は「HAYABUSA(はやぶさ)」製の、この仕掛けです。
HAYABUSA 「海戦アジ」 ハリス3号・幹糸3号・全長2m(フロロカーボン)

よく見る仕掛けですね。ハヤブサさんには子供のころからお世話になってます(^-^)。
パッケージには特に補強等のセールスポイントは書いてありません。構成に特色は見られるでしょうか?
仕掛けの要所のアップ写真を載せておきます。

接続部。

エダス元。んん?なんだか幹糸が上下でズレてる??始めて見る結び方です。あまり強そうには見えませんが・・・。

チモト。 外掛け結びのようですね。夜光ビーズ(おそらく浮力あり)が付いてます。
フロロ製でエダス元に目立った補強が無いのあれば、予想耐荷重は「3.5kg」、切れるのはこれまで同様にエダス元、と予想します。
【実験結果】
1本目。
グッ・・・。バチッ。

うーん、微妙に伸びず・・・。
「記録3.1kg」
「エダス元にて切断ナリ」

やはりエダス元で切れました。
予想の3.5kgには大きく足りませんでした。
エダス元の結び方はまったく初めてみるスタイルのようでしたが、強さに特徴がある結びではないようです。これまでの各社とも同じですが、ナイロン製の仕掛けではエダス元に補強がなされ、エダス元以外で切れることが多いですが、フロロ製の仕掛けでは補強がなく、エダス元で切れてしまう傾向があります。エダス元に補強を施したフロロ仕掛けを手に入れるには、自作しかないのでしょうか・・。
しかし同一仕掛けでも毎回必ずバラつきが出るので、とりあえず2本目に注目です。
余談。以前にも書きましたが、フロロ製の仕掛けが切断すると、幹糸が必ずヨレヨレになります。 ナイロン製仕掛けではこういうことはありませんので、フロロのデメリットのひとつともいえそうです。

強くしごくとある程度は伸びますが・・・。
2本目。
グッ・・・。バチッ。

まさかの3kg以下に・・・。
「記録2.7kg」
「エダス元にて切断ナリ」

またもや同じです。
またもやエダス元での切断です。まったく同じ結果と言いたいところですが、強度の方はさらに低い結果となってしまいました・・・。しかけごとの品質のバラつきには、もはや驚きません(ばらつきは当然のようです)が、平均で3kgを下回ってしまう事実は、大物対策としてはちょっと不安ですね・・・
。
やはり前回に感じたとおり、この仕掛けが特別弱いというわけではなく、市販仕掛けに期待出来る強度は、一般的にこの程度なのかもしれません。語弊がないように付け加えておきますが、自作仕掛けでも「フロロ3号エダス有り、エダス8の字結び」の場合は、2.5kg程度で切れるケースもあります。強度を安定して底上げするには、まず「エダス元」の弱さをなんとかする必要があります。
「ROUND8」
今回2つめのフロロ製仕掛けは「Marufuji(まるふじ)」製です。「手づくり」の表記があります。これまでの「手作り」表記仕掛けはあまり強くない印象でしたが、今回はどうでしょうか?
Marufuji「別誂 鯵」 ハリス3号・全長2m(フロロカーボン)

「別誂」は「べつあつらえ」と読むらしいです。「特別なオーダーメイド」という意味。
仕掛けの要所のアップ写真を載せておきます。

接続部。ハリスは水中で見えにくいと言われるピンク色ですね。

エダス元。結び方はわかりませんが、しっかりと結んである感じがします。

チモト。一瞬外掛け結びかと思いましたが、尻尾の糸が巻き付けの内側を通ってます!初めて見る結びです。
要所の結び方を見ていると、これまでに見たことのない結び方が多く、しっかりとしている印象があります。「別誂」の名に恥じない?期待は膨らみますが、肝心の実際の強度はどうでしょうか?
ちょっと期待してしまいますうが、予想耐荷重はこれまでのフロロ仕掛けと同じ「3.5kg」。切れるのはチモト、という予想にしておきます。
【実験結果】
1本目。
グッ・・・。バチッ。

おっ!頑張りました!
「記録3.7kg」
「エダス元にて切断ナリ」

エダス元。かなり頑張りました。やはり強い結び方だったようです。
期待値を超えました引っ張っている時にも、久々に「強さ」(切れる時の勢いがコワイ感じ
)を感じました。これまでのフロロ仕掛けと比較してもトップクラスに強いと言えますね
仕掛け全体が踏ん張った感じなので、弱点という弱点が無いように作られてるのではないでしょうか?2本目の仕掛けでは別の部分で切れそうな予感がします。期待を込めつつ、2本目に行ってみましょう。
2本目。
グッ・・・。バチッ。

キタ―――(^▽^)―――!!
「記録4.3kg」
「先鈎チモトにて切断ナリ」

チモトで切れました。エダス元が弱点になっていない証拠です!
出ましたこれまでのフロロ仕掛けの中で最強の数字です
。
予感が当たりました。この仕掛けはハッキリした強度の弱点が無い、バランスの取れた構成になっているようです。2組の仕掛けで平均4.0kg。これなら、ドラグを2.0程度に調整してイナダと渡り合うことができそうです(もちろん負荷をかけて走らせ、疲れさせる戦法ですよ)。
「手づくり」、「別誂」。パッケージの文字が頼もしく見えます。このMarufujiさんの仕掛けに施されている結び方は見たことのないものなので、頑張って後日解析してみたいと思います。難しそうですが、ぜひとも知りたいところですね
もし、写真から推測のできる方がいらしたら、ぜひ教えてください
今回はここまでです。
2種類のフロロ仕掛けのテストでした。今回もまた、同じ号数のハリスでも結び方ひとつで強度が大きく変わることを目の当たりにしました(もしかするとハリス自体の加工などの違いがあるかもしれませんが)。
次回はナイロン製の仕掛けのテストになります。これまでのところ、エダス元の補強次第ではフロロ製を凌駕する強度を示してきているナイロン仕掛け。今のところ、全体の平均としてはフロロ製に軍配が上がる感じですが、次回の結果次第では逆転するかもしれません。
要注目です
次回、ナイロンの底力は見られるでしょうか??
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コメント
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HEPPOさん実験お疲れ様でした。
今回の結果はMarufujiさんの仕掛けが倍くらい強いような印象を
受けますね。
「別誂」が光って見えますもん。
どうせ同じ金額を払うなら。。。と考えてしまいますね。
サンプルは少ないですが、参考にはなると思います。
先日、kagoturiさんも想像以上に耐えなかった仕掛けを悔やんで
ましたしね。
次回のナイロン仕掛けも気になるところです!
投稿: せーじ | 2012年10月10日 (水) 18時04分
こんばんわ
エダスの結び方が、やはり気になりますね
イナダなどの外道を考えた時
私は撚りチチワか糸テンビンを使っています
強そうな感じがするのと絡みが少ないので
市販仕掛けが終わりましたら、いつでもよいですから同上の検討をお願いします
ハリスは同じ号数で、忙しいようでしたら来年でもよいですよ
投稿: ボート釣り趣味人たけ | 2012年10月10日 (水) 21時15分
> せーじさん
コメントありがとうございます!
「別誂」、良い仕掛けですね。
針結びについては想像がつきました。どうやら「地獄結び」という結び方のようです。最強結びらしいですが、手では結びにくくて広まっていない、との情報に辿り着くことができました。
結び甲斐がありそうですね!ぜひマスターしたいところです(^_^)。
せーじさんは今週末の戦略に集中してくださいな♪「冷静に」ですよ!
投稿: HEPPO | 2012年10月10日 (水) 22時15分
> たけちゃん 様
コメントありがとうございます!
今の僕の頭の中はエダス結びでいっぱいです

市販仕掛けの確認作業は、自作仕掛けのヒントを求めるためです。まだこれらの仕掛けのエダス結びの解析も終わっていないのですが、既に手元のメモには、以前先針側の荷重テストをした4つの結び方(撚りチチワは4.2kgに耐えました
)以外に、12通りのエダス結びがリストアップされています。
それらを10本ずつ結び、5本は先針側で、もう5本は枝針側で引きちぎってみる予定です。早く取りかかりたくて焦ってしまうのですが、まずは区切りがつくまで急いで市販仕掛けの確認作業を進めたいと思います
。
自作仕掛けとしてはフロロ、ナイロンとも3号で安定的に「4.5kg」が実現できればいいな、と期待しています。秋のうちにそこまで行けるかどうか・・・微妙ですね~
。
投稿: | 2012年10月10日 (水) 22時30分
こんちゃ(^0^)/
夜な夜な一目(特に奥様)を盗んでの実験お疲れ様です。
写真でも『ドヤ顔』に見える仕掛け…参考になります。
跳び蹴りを避ける&おまじない回避の研究も頑張ってください。
投稿: 大吟醸 | 2012年10月11日 (木) 08時27分
こんにちは!のりべんです。
『海戦アジ』良くアジを釣ってくれるので、個人的には好きで旗を振って応援していたのですが・・・残念です(>_<)。
Marufujiさんの結び方、気になりますよね~。まず、のりべんもやった事がありませんでした。ちょっと昔の攻略本、ひっくり返してみようかなと思います。・・・それとも最近の結び方なんでしょうか??
面白いですね!次回レポートも期待しております(^-^)/
投稿: のりべん | 2012年10月11日 (木) 12時49分
> 大東海林さま
コメントありがとうございます!
いつも迫真の現場レポートを有難うございます!(^-^)
仕掛けづくりって難しいんだな〜、ということが改めて分かってきました。どんなに理論上強い結び方でも、実際の強度は大きくバラついてしまうんだと思います。本当に大切なのは摩擦熱を出来るだけ抑えて締め込む方法を身につけること、のようです。
おまじない、妻の法力のことでしょうか?あれは駄目です。釣行日を内緒にするしかありません(T_T)。
投稿: HEPPO | 2012年10月12日 (金) 07時55分
> のりべんさん
コメントありがとうございます!
あの結び方は、どうやら「地獄結び」という結び方のようです。素手では結びにくいようですが、簡単な道具を使えば結べるような気がしますので、いずれチャレンジしてみようと思います(^-^)。
今回の引きちぎり実験は強度しか見てません。集魚力や比重はまったく別の個性があると思います。アジ釣りだけを考えれば、どの仕掛けも十分な性能があると思いますよo(^▽^)o。特に、比重には意外に違いがありそうな気がします(調べられませんが(^^;;)。
投稿: HEPPO | 2012年10月12日 (金) 08時02分