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2012年8月 5日 (日)

【雑談】もうすぐ「お盆」。海にまつわる言い伝えってご存知ですか?

お盆にまつわる海の言い伝え。


前回の記事では「安全対策」としてポストすると予告したのですが、内容的に「雑談」タグとしました。一部前回の記事の内容と重複している部分がありますが、1年前に書いた時の文章のまま掲載致します。ご容赦くださいconfident



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・お盆の時期に海に釣りに行く話をしていた時、一緒に行かないかと誘った同僚が「お盆に殺生はダメ」と言っていた。

・数年前、実家近くの多摩川に家族でハゼ釣りに行った時、実家の母から慌てた様子でメールが届き「お盆に水場に近づいちゃだめだから早く帰ってきなさい!」と言われた。

・ネットで釣りの掲示板を見ていたら、8月1日には「地獄の釜が開く」という言い伝えがあることを知った。


最近、上記のようなことが目(耳?coldsweats01)についたので、ちょっと「お盆」と「海」について調べてみました。



まずは<地獄の釜が開く日>から。


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「地獄の釜」と言われるニーラゴンゴ山。Wikipediaから拝借。

この言い伝えは由来がはっきりしない部分があります。何がはっきりしないかというと、「地獄の釜が開く日」はいつ?、ということ。「7月15日の孟蘭盆の日」、「お盆の前日」、「8月1日」、「7月」と「8月16日」。ざっと調べてこれだけの説がありましたcoldsweats02


ネットでは「小さい頃、おばあちゃんに『お盆には地獄の釜が開くから、海に近づくと死人に引きずり込まれるよ』と言われた」というような記事もありました。


ただし、由来を調べてみると、本来の意味合いは「恐ろしいことが起こるsign01という意味ではなく、「お盆と正月には地獄の鬼にもお休みが与えられる」という意味のようです。このお休みは「藪入り」と言われ、鬼まで休めるのだから、みんなでゆっくり休みましょうsign01という風習だったようです。


例えぱ田舎の実家を離れ、住みこみで丁稚奉公していて1年中の休みのない子も、藪入りには親元に帰ることが許されましたconfident


なぜ「地獄の釜」なのか?というところなのですが、こちらはちょっと物騒な話もあります。


・地獄の鬼は亡者を呵責(責めて苦しめること)するのが仕事。

・その鬼が休むと、その日は亡者を責められない。

・なのでその代わりに前日は釜のフタを閉め、じっくりと亡者を蒸し焼きにしておく。

・翌日にはフタが開き、亡者にも責苦のない1日が与えられる。

・つまり休みの分、前日に辛い苦しみを与えられている、という話。


嬉しいような嬉しくないような話ですが、妙に現実の仕事チックで嫌な感じですね・・・shock


本来の意味とは変わった印象で伝わっているようですが、実際のこの言い伝えの果たしてきた役割は「もうすぐお盆だから、出かけたりしないでしっかり準備をsign01と人々に注意喚起してきたことだと思います。言葉が強烈でイメージも伝わりやすいので、きっとこの言い伝えは、古来からしっかりと役割を果たしてきたんだろうと思います。


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「四国の釜」(天ぷら付き)。Wikipediaより。


次に<お盆に殺生をしてはいけない>です。


理由として「ご先祖様が地獄に落ちる」とされる地方が多いようです。色々と調べてはみたのですが、この戒めが意味するところの具体的なことの手掛かりには行き当たりませんでしたshock


蚊も多い時期だし、食べ物も食べなくちゃ生きていけないので、言葉通りに捉えると矛盾だらけの言い伝えではあります。


まったくの個人的な想像になってしまいますが、ご先祖様をお迎えしているという普段とは違う時節を、より厳かに、礼儀正しく過ごすための戒めではないかと考えています。

(「殺生」は仏の道に反する行為。イスラム教のラマダーン(断食)に近い意味で、仏の教えを体現してその存在を身近に感じる意味があるようにも感じます)



さて、最後に<お盆に水場に近づくな>です。


お盆の期間には、先祖の霊が現生の子孫たちのところに帰ってくる、と言われますが、そのご先祖様たちが通ってくる玄関の役割になるのが「海」とされています。それはそれとして、なぜかお盆の期間の海には成仏できない霊がうようよ集まっている、と言われている地方もあるようです。行くところ(帰るところ)のない霊が羨みや嫉みの気持ちで集会をしているイメージなのかな?coldsweats02


また、お盆期間の終わりには「あの世に帰る霊に連れていかれてしまうから、海に近づいてはいけない」とも言われているようです。


民俗学的に考えると、こういった民間伝承には、大抵歴史的な経緯があるはずです。言い伝えを素直に考えてみると、要は「お盆に海に近づくと死んじゃうかもよsign01ということのように聞こえます。これは本当なのでしょうか?


あまり昔のことはわかりませんが、ネットでわかる範囲で日本の水難事故について調べてみました。


水難事故というと、すぐに思い出す事件があります。小学生の頃に読んだマンガに出てきて、とても印象に残っている。中学生1クラスの集団溺死事件です。ネットで調べたら、すぐに詳しい情報が出てきました。日本の水難史上もっとも有名な事件のひとつのようです。


「橋北中学校水難事件」(リンクはWikipediaです)
→1955年7月28日に三重県津市の津市立橋北中学校の女子生徒36人が同市中河原海岸で水泳訓練中に溺死した水難事件。


この事件の状況はその後の長きにわたる裁判で極めて詳細に検証されています。事実を伝えるために長編漫画化(「海を守る36人の天使」※ネットで読めます)もされているくらいなので、ここでは詳細は触れません。


以下、その他の戦後の主な水難事件を並べてみます(Wikipediaより引用)。


・1951年7月25日。新潟県の中条小学校5、6年生が北蒲原郡の松塚海岸で6名溺死。

・1951年7月。山形県の鶴岡第一中学校の生徒が湯の浜海岸で遊泳中に3人が溺死。

・1952年8月3日。山口県下関市の綾羅木海水浴場で小学生を含む28名が高波に呑まれ2名が死亡、1名が行方不明。

・1955年7月16日。鳥取県の浦安小学校の生徒が海水浴中、溺れた生徒を助けよぅとした女性教師1名が溺死。

・1955年8月18日。北海道の遠別小学校の生徒が遠別川で遊泳中、生徒4人が溺死。

・1982年1月9日。山口県山口市で開催された武道大会の寒中水泳大会で大学生2名が溺死。


上記に並べた水難事件は、Wikipediaに記載されていたものを全件引用したもので、特に発生時期によって抜き出したものではありませんcoldsweats02


ちょっと驚いてしまったのですが、最後の1件を除いて、全て7月~8月中旬に集中しています。この事実だけでも「お盆に水場に近づくな」の言い伝えには正しい部分があることが証明されているような気がしますthink


なぜこの時期に水難事故が集中しているのでしょうか?


「単に海水浴の時期だから」?それも要素のひとつかもしれませんが、他にも大きな背景があります。水難事件のリストにも出てきた「高波」です。


この時期、遠洋に台風が発生していることが多く、そのうねりが日本の海岸にまで到達することが多くあります。台風自体は遠いので、日本では良い天気の状況でも、海では波が高いことがあるわけです。そしてさらに、そういった遠くからのうねりが偶然重なり合うことで、およそ1000波に1波の割合で「土用波」といわれる大波が発生することが知られています。この大波は、静かな海に突然発生するように現れることがあるので、時にとても危険なものになります。


(ちなみに、このような波は土用の時期に多い、というだけで、他の時期にも発生する可能性もあります。詳細は「一発大波(フリークウェーブ)」で検索してみてください)


上記の水難事件が全て土用波によるものではないと思いますが(川で発生したものもあります)、夏の終わり頃は、海に怖い波が来る可能性が高くなっていることは事実のようです。


戦後の事件を見てみただけですが、「お盆に水場に近づくな」の言い伝えが示していることは、長い歴史の中で、この時期に多くの人が亡くなってきたことを、ご先祖様たちが現代まで伝えてくれているのではないでしょうかthink


僕はお盆に海に行くことを厭いません。
でも、言い伝えの持つメッセージを自分なりに噛み締め、十分な備えと慎重な行動を心掛けたいと思いますconfident


考え方、受け止め方は人それぞれ。でも古くから謂われることにはやはり大切な意味があるんだなぁ、と改めて思いました。





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コメント

HEPPOさんこんにちは。

やはりお盆時期に海はダメ。。。子供頃から言われてました。
広島では特に、8月6日に原爆が落ちて沢山の方が亡くなっています。
熱くて沢山の人々が川や海に入りそのまま亡くなっています。

そういうこともあり、波が穏やかな瀬戸内海でもお盆時期は海や川に
近づくのは良くないと言われてます。

広島に居ると、8月6日は特別な日なんです。
そしてその後に訪れる「お盆」もちょっと特別なのかもしれないですね。

ちょっとオカルトチックな内容ですが、私はやはりお盆に海は怖くて
行けないです。。。昔から。。。

> せーじさん
コメントありがとうございます!

釣りに限らず、自然の中では、感覚や本能を含めた「心の声」に従うことも大切だと思います。
気になることがあるまま行動すると、スポーツ選手でも普段しないような失敗をしてしまうとも聞きますし(^-^)。

車で日本縦断をしながらバスを釣り歩いたことがあるのですが、地元の人から「決して近寄ってはいけない場所」を聞いたり、釣り場近くに泊まろうとして怖い思いをしたことがあります。また、登山でもほぼ同じような経験があり、僕はかなり自然やその地域の言い伝えを畏怖しています。

ただ、少なくとも漁師さんが休漁しない地域では、お盆の海釣りはアリ?と考えてます(いまのところ(^^;;)。
でも、事前に尽くせる手立てはしっかりと!←これをおろそかにすることがむしろ怖いです。

HEPPOさん、こんばんは!

むかし大黒埠頭に黒鯛狙いで通っていた頃、盆休みに黒鯛を釣り上げたおじさんから、「お盆には殺生をしてはいけないんだけど、針飲まれたから持ち帰らないといけないな~。兄ちゃん持ってかえるかい?」と云われました。

殺生うんぬん云われあとだと、素直にいただく気になれず、遠慮してしまいましたcoldsweats02

魚を食べる、イコール命をいただくこと。海や魚たちに感謝しないといけないですね!!

> まるまつこうじさん
コメントありがとうございます!

ちょっと変わったおじさんですね(^^;;

でもわかるような気もします。やはりうしろめたさと釣りたい気持ちの両方あったんでしょうね。
(この流れで貰う気がしないのは当たり前ですね(^^;;)

言い伝えが、いろいろな人の心に息づいているのを感じますね。

知らなかった事が 沢山ありました。参考になりました。

HEPPOさん こんばんわ。

言い伝えって本当に調べてみると色んな意味があったりするものですね。。。
私も以前、おばあちゃんに言われました。
お盆に殺生をしてはいけない、お盆に水場に近づくな・・・

あまり守りませんでしたねぇ(笑)
でも、私もHEPPOさんに賛成です♪
『事前に尽くせる手立てはしっかりと!』
これが何よりも大事なのでは!

> 「 」さん
コメントありがとうございます。

新しいことを知るのは楽しいですよね!
お役に立てたら光栄です(^-^)。

> Heavysizeさん
コメントありがとうございます!

Heavysizeさんもお聞きでしたか。
やっぱり今でも皆さんの中によく伝わっていることなんですね〜。

僕もあまり守りませんが、無視もしません。
自分なりに受け止め、意味を忘れないよう自分に言い聞かせます(^-^)。

池はいいんですか?

> つりばかさん
コメントありがとうございます!

僕が自分で調べた範囲では、特に「池」の事故には行き当たりませんでした。
言い伝えですので、最終的に良し悪しを決めるのはご自身になるかと思います。

どこへ行かれるにしても、釣りを楽しむには安全への配慮が必要です。
安全対策を怠らず、末永く釣りを楽しみたいですね(^-^)。

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