【安全対策】思い返しておきましょう!海の孕む危険への備え。
ちょっと立ち止まり、考えてみませんか?これから先の「安全対策」。
2回ほど、安全対策の記事をポストしておこうと思います。
水温が上がり、アジが根に着き、青物が回ってきました。釣り人の過ごす1年で最もドラスティックに季節の変化を感じる時ですね(海釣り経験の浅い僕が言うのは僭越ですが)
特に今年はイナダやワラサの回遊が早くも話題にのぼり、手漕ぎボート釣り師のテンションは否応なく上がっていると思います。
でもこの時期はまた、秋に向けてボート釣りの注意点を見直しておくべき時期でもある、と僕は思っています。
夏から秋にかけての気象上の注意点を思い出してみます。
台風が北緯20度線より北に存在すると、日本沿岸に「うねり」が入ってきます。
関東地方が雲ひとつ無い晴天で、風の予報も良好でも、遠洋からのうねりが入ってきていることがあります。海に出てみると予想以上に波が高いという感じ。この波は周期が長く、長時間止まないため、普段ボートで船酔いしにくい人でも酔ってしまう場合もあります。
あやしい雲、ありますね〜。
※今年、台風が7月中に10号に達しており、当たり年となりそうです。本日(8月2日)現在も2つの台風が日本の西に存在している上、太平洋上には新たな台風になりそうな雲も発生しています。
土用波が発生しやすい時期に入ります。
上記の台風の影響によるうねりは、およそ1000波に1波の割合で複数のうねりが重なり、2倍以上の高さに達する可能性があることが証明されてます。古くから言われる「土用波」の正体はこの「重なったうねり」だと言われます。一般的に晩夏の「夏の土用」の頃に多いとされますが、遠洋に台風が発生していれば状況は同じですので、土用の時期でなくても発生の危険があります。
「土用波」(Wikipedia)
最もリスクが高まる状況は「遠洋の台風」と「大潮」が重なる時です。
今年で言えぱ8月16~19日、8月31日~9月3日、9月15~17日あたりでしょうか。
知っておくべき「一発大波」の危険。
土用波と同じ理屈で、数万波に1波はさらに高い波が発生する可能性があります。非常に可能性は低いと思いますが、日本の海難事故ではこの「一発大波」が原因と推定される例は多いようです。
「巨大波」(Wikipedia) ※最初の方の「種類」に「一発大波」があります。
土用波に類すると思われるボートの転覆例は身近にあります。
以前ご紹介した有亮丸さんのボート転覆体験。この事例は12月の話ですが、なんの前触れもなく3mもの波が襲い、周辺のボート数隻もろとも有亮丸さんのマイボートも転覆してしまったものです。
手漕ぎボートの転覆について(その2) ※有亮丸さんの転覆事故の紹介記事です。
このような状況に遭遇する可能性が常にあること、つまり転覆のリスクは常にあることを念頭におき、然るべき安全対策を行って海に向かうことが大切だと思います。
転覆のリスクに対する対策については以下の過去記事をご参考ください。
手漕ぎボート釣りは常にリスクと隣合わせ。
釣りを一生の楽しみとして取り組み続けるためにも、可能な安全対策は怠らないようにしましょう
P.S.
次回は 「海にまつわるお盆の言い伝え」に触れてみます。
(ブログ開設前に仕込んだストック記事の最後の1本だったりします)
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コメント
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HEPPOさんこんにちは。
以前の転覆事故の紹介記事、読んでました。
私もそろそろ慣れてきて「気をつけてれば大丈夫~♪」と
思う頃です。
こうやってHEPPOさんの記事を読んで、
「海は危険があるんだぞ!」と再度認識させて頂きました。
転覆事故の記事を以前見た時は、まだボート釣りをして
いなかった時だったと思います。
再度読み直したら、その時に感じたものとは違う感覚で
読めたような気がします。
今回の記事もありがとうございます。
ちょっと気が引き締まりました!
投稿: せーじ | 2012年8月 3日 (金) 13時14分
> せーじさん
コメントありがとうございます!
こういった記事は、完全に自分向けの言い聞かせなんです。
でもせーじさんにそう感じて貰えると、記事にして良かったなぁ、と思えます。
水泳の得意な息子が、最近着衣水泳をやったみたいで、「全然泳げなかった」と驚いてました。
元より当たり前ですが、ライフジャケットの大事さを再確認ですね。
投稿: HEPPO | 2012年8月 3日 (金) 23時59分
HEPPOさんおはようございます。
またまたコメントすみません。
実は私も高校時代は水泳をやってました。
だからこそ過信は禁物だと思います。
たま~にTシャツを着て海で泳いだりします。
それでもかなり重さを感じますよね。
ボート釣りをする上で、今回の記事のようなことばかり
考えてると楽しくないですが、こういうことが隣り合わせ
だよ!って言うのを認識しておくことは大切だと思います。
以前先生にも言われました。
「ボート釣りは所詮遊び。命を落としては元も子もない。」
注意を促して頂けることは、ありがたいことだと感じています
投稿: せーじ | 2012年8月 4日 (土) 08時32分
おはようございます
私は安全管理が苦手です、しかし風の読みはしっかりと仲間に教えています
又、絶えず釣り船や大型船の状況も確認するようにしています
大津や観音崎ではアンカーの引き上げが難しいですね
風の強い時は特にです
舳先の腰掛いちに膝を立てて上げる事が多いですが冬の時期、風が強いと
波を被る事やボートに海水が入る事もあります
そんな時は中央の席に座り腕の力と、足の膝をうまく使い上げるようにしています、が
波を読み左右確認してロープを上げないとやはり波を被り危険です
その辺が教えても難しい事かと思います
やはり一番大事な事は風の強くなる前に安全な場所に移動するか、切り上げる時期ですね
沖に流される風が少しでも吹き始めたら、そく移動する
又今は台風の時期です
南東の風を感じたらすぐ上がる事をすすめます
海の風は速い事を絶えず仲間に教えています、釣より安全が大事です
最後に、風が強くなりアンカーが上がらない時、ロープを切るナイフを忘れない事です
海は甘くはありません
投稿: ボート釣り趣味人たけ | 2012年8月 4日 (土) 08時56分
こんにちは。
私は、乗合船でも絶対にMy ライフジャケットを着用します。バカ長靴は乗合船では着用しますが、ボートでは使いません。長グツなら、いざという時浮いていれば脱げますが、バカ長は脱げないので、錘になってしまいます。実はコレ、大津の石田ボートの若女将から注意されたことなのです。
浮いていて、呼吸を確保すれば、冬でなければなんとか助かります。しかし、呼吸確保が困難だと数分でアウトです。いざというときのために、クーラーを閉めている状態を維持するのも大切だと思います。唯一浮き替わりになる釣り道具です。
昔、小学生のときにハゼ釣りで転覆したボートを見ました。2人のりでした。私自身も、もうボートは乗りたくないと思うくらい怖い目にあったことが2回あります。1回は転覆、1回は沖まで流されました。海は甘く見ると一瞬で全てを失うので、私は安全ルールを守って、お祓いもします。神頼みは関係ないという人もいると思いますが、運が悪いのも命取りです。
投稿: かれいふぁん | 2012年8月 4日 (土) 16時36分
HEPPOさん こんにちわ。
こうやって定期的に注意を促すのって凄く良いことだと思います。
一度でも自身や周りでこういった転覆事故を経験すると
忘れられない記憶として残りますが、
普通なら頭では分かっていてもどこかで自分は大丈夫なのでは?
いつも気を付けているから大丈夫!!みたいな過信を持ってしまいがちです。
実際に私がそうでした。
泳ぎにも自身がありましたし、海の怖さは分かっていた気がしていましたからね。
でも衣服を身につけて、更に突然転覆して動揺もあり、助けが来るまで
冷たい海の中にいるだけで体力がドンドン消耗していく・・・
波のある海面にその状態で浮いているだけでも相当大変です。
そういった事が隣合わせでの趣味だという事をしっかりと再認識した上で
楽しみたいですね♪
特に今の時期は暑くてライフジャケットが邪魔ですが
絶対に外さない方が良いと思います!!
師匠のいう様にロープを切るナイフも!!
小さな笛も出来れば持っていると良いと思います。
風を読む力も大事ですよね!!
まだまだあると思います。。。
ブログを開始して、少しだけ今までよりも天気図が分かってきました。
まだまだ勉強が足りませんが、予報も侮れませんよね<`ヘ´>
本当に海は甘くないと思います。
いつも大切な記事をありがとうございます
投稿: Heavysize | 2012年8月 4日 (土) 17時11分
こんにちは。
夏休みを迎え、毎年海や川では痛ましい水難事故を聞くことが多くなるこの時期に、身を引き締める意味でとても良い記事だと思います。
じつは、子供のころ海辺で溺れかけたことがあるんですが、あの時は離岸流でアッという間に沖合に流され、ライフガードの人に助けられたことがあったんです。
今も思い出すと怖い体験ですが、自然の怖さをはじめて思い知った出来事でした。
本当に命あっての釣りですもんね。
少し臆病くらいが丁度いいのかもしれませんね( ;´Д`)
投稿: ブライアン | 2012年8月 4日 (土) 19時13分
> せーじさん
せーじさん、水泳もやっていたんですか!スポーツ歴の幅が広いですね~。
僕は着衣水泳したことがありません。機会を見つけて体験しておきたいです。
手漕ぎボート釣りをされる方が、不可抗力で転覆等の状況に遭遇する可能性は完全には避けられません。
万が一遭遇しても、そのことが理由で手漕ぎボート釣りを嫌いになって欲しくないんです。
稀有な仲間。手漕ぎボート釣りは狭い世界であってこそ、他のどんな釣りよりも仲間を大切にできると思います。
投稿: HEPPO | 2012年8月 5日 (日) 00時27分
> たけちゃん 様
コメントありがとうございます!
海の怖さと、その対処はある程度体験しないとなかなか体得できませんね。
僕も強風とうねりで船内に水が浸入する状況を3度経験しました。その時の記憶が、それ以降の釣りでの早めの対応に繋がってきたことを感じます。
初めて海に出たときに、運悪くより悪い状況に遭遇していたら、事故になっていたかもしれません。そう思うと、人に伝えることの難しさと大切さを同時に感じます。
アンカーロープを切るナイフ。
これは備えに必要ですね!このナイフを実際に使う局面は、未経験者にはよほど想像力を働かせないと理解できないかもしれませんが、本当に危機的な状況で頼りになると思います。
思い出しました。
たけちゃんさんにご紹介いただいた「片手もやい」。
今では反射的に結ぶことができるようになりました。有難うございます!
投稿: HEPPO | 2012年8月 5日 (日) 00時37分
> かれいふぁんさん
コメントありがとうございます!
やはり海の経験が長い方ほど怖さを知り、慎重に対応されていますね。
バカ長やウェーダーが頭を沈め、命とりになることはもっとも怖い話のひとつですね。
転覆後、バカ長を切り裂くためのナイフを身に着けている人の話も聞きます。
「運が悪いのも命とり」。
これは究極の安全意識ですね。理屈ではなく安全のためにあらゆる手段を取る姿勢、正しいと思います。
僕はお祓いはしませんが、あらゆる考え方をきっかけにして注意喚起に繋げたいと考えています。
海の中の生き物たちは、きっと海の怖さをよく知っているんでしょうね。可能であれば聞いてみたいですね(^_^)。
投稿: HEPPO | 2012年8月 5日 (日) 00時49分
> Heavysizeさん
コメントありがとうございます!
僕が最初に「ヘビーサイズ」さんの名前を目にしたのは、たけちゃんさんのブログの転覆に関する記事でした(コメントを頂いて「Heavysize」という表記を知るまではブログにたどり着けませんでした。懐かしいです)。
本当に怖いのは水温が15度を切ってからですが、土用波の危険自体は夏の間に始まっています。今回のタイミングはそこを意識しました。
「海の怖さを知ること」は手漕ぎボート釣りそのものだと思います。それも釣り方より早く基本を身につけることが必要ですね。うん?すると、せーじさんみたいに辛い続きのデビューがある意味理想なのかな?
天気図も、知れば知るほど難しいですね。知識が増えてきたら、逆に読みが外れることが増えてきました。学ばなければいけないこと、本当に尽きませんね!
投稿: HEPPO | 2012年8月 5日 (日) 00時59分
> ブライアンさん
コメントありがとうございます!
ブライアンさん、大変な経験でしたね。無事であってこそ貴重な経験といえますが、本当に怖い経験・・・。
人間が海の中では息ができません。つまり海は人間の世界じゃない。
陸でも気をつけるべき危険が多いんですから、本来海は人にとって危険だらけとも言えると思います。
そんな海に人力で漕ぎ出していく釣り・・・。
船釣りがスキューバダイビングだとすれば、手漕ぎボート釣りはスキンダイビング?
自分の肌でしかか感じられないこともあると思います。
危険だけど価値がある。あらためてそう思います。
投稿: HEPPO | 2012年8月 5日 (日) 01時07分