【雑談】「天地明察」という時代小説をご存じですか?
突然ですが、1冊の時代小説本をご紹介致します。
これまで、釣りに関係ない記事は書いていない当ブログですが、思うところがあって今回は1冊の本をご紹介しようと思います。滅多にないことと思いますので、ご容赦ください。
「天地明察」(沖方丁著/角川書店2010)

作者の冲方さんはライトノベル作家。この本は初めての文学作品です。
「2010年本屋大賞」に輝いた本です。僕が読んだのは1年程前ですが、ここ5年程の間に読んだ中では1番面白いものでした。「面白い」と書いてしまうと受け取り方も様々だと思いますが、僕にとって心から「読んで良かった」と感じることができた本です。
ご紹介する理由。
1つめ。
この本を読むことは素晴らしい冒険です。あえて内容には触れませんが、日本という国の節目に生きた多くの方々の人生がきらきらと輝いていて、その輝きの時代を一緒に駆げ抜けることができたような、そんな気分にさせてくれます。
でも問題があります。
実は今まで、友人や親類にこの本を勧めてきました。ですが、人によって感想がガラリ180度違うんです。結構な数の人が序盤で読むのを止めてしまいます
。特に、歴史物の色合いが濃いので、歴史に興味の無い人にとってはつまらないようです。
ただ、歴史が苦手な人でも、最後まで読んだ人は「途中から面白くなって一気に読んだ」と言ってくれます。
ちなみに僕の印象は「序盤から惹きつけられ、止まらなくなり、終盤になって読み終わってしまうことが怖くなりながらも、一気に読んでしまった」という感じです。端から端まで最高でした。
この本は人生の冒険と探究心と好奇心に満ち溢れていると思います。
「冒険」、「探究心」、「好奇心」。
若干こじつけがましく思われるかもしれませんが、この3つは手漕ぎボート釣りの魅力と共通するんじゃないかと思います。手漕ぎボート釣り師のみなさん、騙されたと思って一度読んでみてはいかがでしょうか?
特に歴史物が苦手ではない方には間違いなくオススメできます。
2つめ。
この本を応援したい理由があるんです。
この本の巻末の「主要参考文献」欄に僕の母方の祖父の名が記載されています。祖父は古本屋を営んでいましたが、日本独自の数学文化(和算)の研究者でもありました。著者の沖方丁さんのインタビュー記事によれば、沖方さんは祖父の論文を理解するため、全て手書きで書き写されたそうです。そしてその論説がこの物語の中核に関わったと答えておられます(僕は全く沖方さんとの接点や関係はありません。ただの1読者です)。
誓って言いますが、このことでこの作品の内容を色メガネで見ているようなことはありません。
3つめ。
最近、皆さんのブログ記事やコメントを拝見していて、釣りに行きたくても行けない状況の方も多いように感じています。仕事が忙しかったり、イベントごとが多かったり、また径我で入院され、長期リハビリに臨まれていたり・・・。
また、ご存じのとおり8月は猛暑のピークです。海の上はより厳しい環境。中にはこの時期を「夏休み」と割り切って過ごされる釣り師の方々もおられるのではないでしょうか。
そのタイミングを見計らっての、僕のオススメ気分転換です
この夏の「大人の自由研究」にも良いかも?
この本、本当に面白いですよ
P.S.
9月15日に「天地明察」の映画版が公開されます。
でも、僕のオススメはあくまで「本」であることをご理解ください。
(本が素晴らしいので、映画に期待はしていません。でも食わず嫌いは好きでないので、映画も見てみる予定です)
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コメント
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面白い本に飢えていますので、大きな書店に行ったら探してみます。
投稿: かれいふぁん | 2012年7月27日 (金) 11時03分
HEPPOさんこんにちは。
普段、あまり本を読まない私ですが探してみようかな?
と、思いました。
まだまだボート釣りは無理ですから、
冒険心や探求心を養うにはいいかも
しれないですね(^_-)
HEPPOさんの探求心の1割でもあれば
私の釣果も変わってる気がするんですが。。。
次回釣行までに頑張って勉強しておきます!
投稿: せーじ | 2012年7月27日 (金) 16時35分
こんばんわ
heppoさんの一押しには引かれますが
時代物はあまり興味がなく、又囲碁も少しやりますが、なぜか過去の事のように思い
小説は面白いだろうと思うが、囲碁の世界が!!!!!
小説も、映画も、演劇も、凝る時には片っ端から読み、観ますが
今は記憶に留めるだけですね
映画化もするみたいで、どんな映画になるのでしょうか????
投稿: ボート釣り趣味人たけ | 2012年7月27日 (金) 21時29分
> かれいふぁんさん
コメントありがとうございます
かれいふぁんさんなら特にオススメできますよ~(^o^)/
そもそも本屋大賞をとっている本ですので、ご安心ください。
1冊読み切りですので、時間もそれほどかからないと思います
。
投稿: HEPPO | 2012年7月27日 (金) 22時48分
> せーじさん
コメントありがとうございます
この記事だけでなく、しばらくの間は記事をかくときにせーじさんのことを考えながら書くことになると思いますよ
。
膝は時間がかかりますよね。でもこの機会を何かに活かしちゃいましょ!
僕が言うまでもなくせーじさんは体得されてると思いますが、人生に無駄はないと思います。
せーじさんは立派な釣り師になると思います。今までの経過を拝見していて、驚かされることばかりでした。僕に足りないものをたくさんお持ちです
。
せーじさん、今年の本当の勝負は11~12月ですよ。
真剣勝負が待ってます。
投稿: HEPPO | 2012年7月27日 (金) 22時57分
> たけちゃん 様
コメントありがとうございます
たけちゃんさんの心のベクトルにはブレがありませんね
。
幅広く深い人生経験で磨き抜かれた1本筋。それがたけちゃんさんの「釣り」でしょうか。
この本、時代小説であり、囲碁も出てきます。
非凡な囲碁の才能がありながら、別の世界に飛び出していった人の話です。
失敗と自己嫌悪を繰り返しながら、様々な出会いに助けられて前に進んだ人の話。
僕にはとても好きな詩があります。
武者小路実篤の詩です。
「俺はどん底の覚悟が出来ていないと生きてゆけない人間だ。
俺のどん底の覚悟はこういうのだ。
俺のような人間も生きていていい、
俺のような人間も何億人に一人はあってもいい。
俺は自惚れも強いが、ひけ目を感じることも強い。
俺の自信はどん底の上に築き上げられて
あわあよくば天にも届いてやろうというのだ。」
僕がこの本に惹かれる理由は、きっとこの詩に惹かれる理由と同じなんだろうな、と思います。
投稿: HEPPO | 2012年7月27日 (金) 23時22分
HEPPOさん おはようございます。
お忙しいと思っておりましたが、記事アップされていたのですね。。。
歴史物ですか?
私は歴史に偏りがありある時代の話は好きである時代は全く分からない…
という感じなのです(笑)
歴史物という意味では「三国志」が一番好きなのですが・・・。
冒険・探究・好奇心って
まさにHEPPOさん!!って印象が私にはあります。
でも、私も興味が出てきました♪
冒険、大好きです(^O^)/
この1年半くらい全く本を読んでいませんでした。
たまには読まないとですね。。。
投稿: Heavysize | 2012年7月30日 (月) 09時33分
> Heavysizeさん
コメントありがとうございます!
僕も「三国志」は大好きですよ~
)
この本に関しては、予備知識が全くなくても大丈夫です。
(歴史もの自体にアレルギーがあったら別ですが
1冊完結なので、三国志のように時間がかかることもありません。
僕は好奇心はある気がしますが、結構臆病者で「冒険」はほどほどに・・・というタイプです
。
Heavysizeさんは、3人揃えば海賊を開業しそうな感じ??
「冒険野郎Hチーム」! ← いま思いつきました(笑
投稿: HEPPO | 2012年7月30日 (月) 22時40分