【安全対策】手漕ぎボートの転覆について(その2)
ボートの転覆について知っておくべきことがあります。
1年半前、手漕ぎボート釣りに本格的に引き込まれていく時、ボート釣りの抱える危険について必死で調べました。でも、それ以降何度も手漕ぎボートで出船しているうちに、いつのまにか「ボート釣りって楽しいし、危険でもなんでもないじゃん」という気持ちになってしまいそうになります。
そんな時、僕を心をいつも初心に戻してくれるサイトが2つあります。
1つは、海上保安庁のサイト、「海釣り事故防止のための基礎知識」。
そしてもう1つは、あるボート釣りの素晴らしいブログにアップされている記事です。
そのブログは「有亮丸」さんの「海に片思い・・」。
有亮丸さんは、2年ほど前、長者ヶ崎沖にマイボート(エンジン付きのプレジャーボート)で出船された際、突然の大波による転覆を経験されました。その時の詳細な体験談を公開されてます。
今回、ご厚意で記事の引用を許していただいたので、紹介させて頂きます。ぜひ、ご一読をお願いします。
(有亮丸さん、ご協力有難うございました。心からお礼を申し上げます)
1.「海からの最後通告」
2.「転覆で死を覚悟する・・」
3.「命からがら・・・」
4.「初めて救急車にライドオン!」
5.「あっという間の転覆当日」
6.「海が嫌いになる」
7.「やっぱり海に片思い」
8.「やっぱボートはいい」
9.「強大な釣り運」
※有亮丸さんは転覆後、上記の8.の記事で一緒に転覆を経験されたご友人と海に復帰されますが、その舞台は「京急大津の手漕ぎボート」です。
これらの貴重な体験談の中で、特に心に留めておきたい点が以下だと思います。
・「波高1mのち1.5mでうねりをともなう。北寄りの風2mのち4m」という予報の中、突然の大波が襲来し、3~4隻ものボートが同時に転覆した事故であったこと。
・12月という低水温期における転覆事故であり、低体温症で体が痙攣に近い状態になり、陸に上がっても四つん這いのまま、一歩も動けない状態だったこと。
・同乗の友人がいても、安全が確保されるまでお互いに相手の心配まで考えていられる状態ではないこと。
・携帯電話はビニール袋に入れてあったものの水没して故障。そのせいで記憶している電話番号しか使えなかったこと。
・家族に大変な心配をかけてしまったこと。
これらの重要なポイントを踏まえた対策が、前回の記事の内容になります。それらに加えて、あと2つほど声を大にして訴えたいことがあります。
1つめは「ボートの転覆は誰にも起こり得る身近な危険」ということ。これは前回も書きましたが、有亮丸さんの体験で解るとおり、海では突然の大波が発生することがあります。もしその状況に当たってしまったら、抗う術はありません。ボートで海に出ることを趣味にする以上、このことは決して忘れないようにしておきたいですね。
突然発生する大波については、後日別記事で取り上げたいと思います。
2つめ、僕が本当に感じたことは、こっちです。
「ボート釣りは人生の趣味にする価値のある素晴らしいもの」だということ。有亮丸さんは、これほどの体験をされても再び海に戻られ、今も第1線のボート釣り師として、素晴らしい釣りをしておられます。これは、何にも勝る証拠ではないでしょうか。
残念ながら、ボート釣りの事故は減るよりもむしろ増えてきている、という話を聞きます。そういう話を聞いた時に「確かに、最近初心者が多いよね」という受け止め方で流したりせず、海の先輩として、しっかりと危険に備えているかどうか、自分に聞いてみるのも一興かと思います。
僕も常に問い続けます。
ちょっと重いトーンで書き切ってしまった感がありますが、何よりも安全に海を愛する皆さんと一緒に手漕ぎボート釣りを楽しんでいきたいという気持ちです。
いつまでも、ご一緒に海のボート釣りを楽しんでいきましょう
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コメント
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Heppoさんへ
大きな声では言えませんが、大津石田ボートのご主人の嘆きです。
「最近の若い子は、直ぐに携帯で電話してくる!」
ボートを、本気で漕げば港に戻れるのに、すぐ携帯でヘルプ。
懐かしの「仮屋ボート」の先代が、仕切っていた頃の話で恐縮ですが・・・。
その方から学んだ大切な事は、以下です。
「自分で漕いで出たんだから、自分で帰って来い!」
この言葉をいつも胸に秘め、ボートを漕ぎ出します。
どうしても、どうやってもあらゆる手を尽くしてもダメな時。
ヘルプ!です。
大津の海、東京湾内です。
漂流しても千葉に着く。
そんな気持ちで、釣りができたいいな・・・。
と思うB級釣り師です。
投稿: 釣りキチ先生(B級釣り師) | 2012年1月 7日 (土) 19時45分
>釣りキチ先生 様
コメント有難うございます!
情報を調べる人の多くは「釣果」に関心が集中してると思います。そのせいで、ボート釣りは「とても釣れる釣り」と見られて、たくさんの人の気軽な興味を引いているんでしょうね。
そのこと自体はボート釣り業界にとって素晴らしいことだと思います。
でも実際には数ある釣りの中でも難しい釣りのひとつですよね。特に釣ること以外の部分は本当に難しいです。安全に、人に迷惑をかけずに・・・。かなりの心構えが必要だと思います。
ぼくも初心者の類なので、そんな不幸な誤解が気になって、自分が気をつけていることを記事にしてみました。幸い、ネットの情報には敏感な人も多いと思いますので^^;
安全、マナー・・・。今後も永遠の課題になっていくんでしょうか。
投稿: HEPPO | 2012年1月 8日 (日) 00時09分
>海釣り事故防止のための基礎知識
この中身もしっかり読ませてもらいました。
ありがとうございます。
転覆したら、千葉なんか冬じゃ行けない。
大切な初心を忘れていた気がしました。
(港から出るのが怖かった、少しでも風や波が来ると港に戻った。)
あの怖さは、本物。
この「ボートの転覆」記事読んで(ちゃんと)良かった。
ありがとうございました。
投稿: 釣りキチ先生(B級釣り師) | 2012年1月 8日 (日) 06時40分
> 釣りキチ先生 様
お言葉がもったいないので、お礼には及びません。
僕は結構ツキの無いタイプなので、「ごく稀に起こる」ような状況に
いつか当たってしまうような気がするんですよね。
突然の大波、怖いです。
おまけにちょっとドジでもあるので、不注意でも転覆しないように気をつけます。
投稿: HEPPO | 2012年1月 8日 (日) 17時02分
先日の記事の続きですね。ご紹介の記事も読ませていただきました。
ライフジャケットを外さないとか、ボートで立ち上がらないとかは厳守していますが、波風が強くなってきたときに帰るタイミングは迷うことがあります。慣れてくると、多少の波風でも漕げるという(変な)自信が出てきてしまいますから…
釣りキチ先生と同じく、初めてボートで海に出た頃も思い返して、より安全なボート釣りを目指したいと思います。
投稿: APS | 2012年1月 8日 (日) 23時10分
Heppoさん
初めまして。Heavysizeと申します。
釣りキチ先生のブログからこちらを知りました!
これまでの記事も読みましたが、本当に楽しく、勉強もさせていただいてます。
ご存じ(?)のように、私も昨年転覆事故に遭遇しました。
周りには沢山の釣り人もいたのに…
私が助けた方は、ライジャケは着ていましたが、しっかりと着用しておらず、その為余計に辛そうでした…
何もしてあげる事が出来ず無力感でいっぱいでした。
だからこそ、Heppoさんのブログに非常に共感しましたし、
もっと多くの方に読んでほしいとも思う内容です。
当たり前だからこそ本当に大事な事ですよね。
私も再度初心に帰りたいと思います。
ありがとうございましたm(__)m
そして、当然?私のお気に入りブログにさせていただいても
良いですか?
今後もよろしく
投稿: Heavysize | 2012年1月 8日 (日) 23時27分
Heppoさん
すみませんm(__)m
途中で間違えて送信してしまいました
あらためまして、今後もよろしくお願いいたします。
初めてのコメントで長文失礼しましたm(__)m
投稿: Heavysize | 2012年1月 8日 (日) 23時34分
> APSさん
コメントありがとうございます。
僕もAPSさんとまったく同じです。慣れは怖い面もありますよね。
末長く楽しんで行きたいからこそ、たまには初心に帰りたいですね。
投稿: | 2012年1月 9日 (月) 16時43分
> Heavysizeさん
はじめまして!コメント有難うございます。
実は以前たけちゃんさんのブログでお名前を知り、ブログを探させていただいたことがあります。でもカタカナ(「ヘビーサイズ」)で検索してしまい、たどり着けませんでした(>_<)
でも今回コメントを頂いたので、ようやく辿りつけました。嬉しいです!\(^O^)/
Heavysizeさんのお言葉、有り難いです。今の世の中で命の危険がある趣味なんて身近にはあまり無いと思うんですが、ボート釣り(特に冬の)は一歩間違うと本当に危険ですよね。
お気に入りは光栄ですが、もったいない気もします。何せ釣行回数が少ない妄想中心ブログなので・・・
こちらこそ今後ともよろしくお願いいたしますm(_ _)m
投稿: HEPPO | 2012年1月 9日 (月) 21時51分