【安全対策】手漕ぎボートの転覆について(その1)
手漕ぎボートの転覆を目撃したこと、ありませんか?
年の初めに手漕ぎボート釣りの安全についてちょっとだけ考えておきたいと思います。
(新たにボート釣りを始める友人向けに書いておきたい記事です)
ボートの転覆は誰にも起こり得る身近な危険。
幸いにも自分はまだボートの転覆を経験したことはありません。
でも2度、転覆したボートを目撃したことがあります(葉山1回、大津1回)。
稀にですが、ボートの転覆は避けられない場合があるようです。「誰でもいつか転覆する」ことを前提にして役立つ備えを考えます(防ぎようがない転覆のケースは後日別記事にて紹介する予定です)。
◎生命に関わる事態を避けるために
ライフジャケットを着ない人はいないと思いますが、それだけでは不十分です。
1.ライフジャケットを正しく着用する。
股下のヒモをキチンと通す。手動操作方法を確認しておく。
・浮力体の入った普通のライフジャケットは、下に出ているヒモを股に通さないと、波間に浮かんでいる間に脱げてしまいます。特に子供は脱げやすいのでご注意
・インフレータブル式のものほ、経年劣化で自動膨張しないケースが報告されてます。イザという時に慌てないよう、手動で膨張させる方法を常に頭に入れておく必要が有ります。
2.ホイッスルはライフジャケットに取り付けておく。
携帯電話 (特にスマホ)は役に立ちません。
・低水温期に海中に投げ出されると、低体温症で予想外に早く意識喪失に至ってしまいます。水温が15度を切ったら、生命の危険は格段に大きくなります。
特にこの表の意識喪失までの最短時間に注目。
・転覆後、すぐに救助を求めなければなりませんが、スマートフォンは濡れた手では操作できません。スマホ本体の防水対策が万全でも、海中で取り出して使うことは不可能です。
・なので、人に助けを求める残された手段は「ホイッスル(笛)」です。
3.低水温期の場合には、近くに誰もいないポイントは避ける。
ホイッスルも、周りに他の釣り人や漁師さんがいなかったら役に立ちません。特に冬の平日釣行の時には注意が必要です。30分以内にボート屋さんの救助が受けられる体制を意識しておくと良いと思います。
こんなことにはなりたくないですね•••。
4.子供と一緒の場合は、出船の判断をより一層厳しく。
とにかく体が小さい子供は冷水温への耐性が低いです。水温15度を切っていると、意識喪失まで1時間もたないと考えられます。子供と乗る場合は特に安全への配慮を尽くしましょう
○生命の次に大切なもの
生命の安全が確保されることを前提として、次に考えておきたいこと。以下の3つは仮に海中に投げ出されても無くすことがないように対策しておきたいです。
・携帯電話(防水対策は前提です)
・自動車のキー
・財布(免許証等)
転覆事故に遭った場合、陸に上がってもすぐに車で帰途につくのは絶対にダメです精神的ショック状態は数時間以上続くため、危険です。また、アドレナリンで感じないだけで、体も大きなダメージを受けてます。しばらく経つと突然動けなくなった話も聞いています。出来る限り医師の診断を受けた上、車の運転が出来る家族か友人に迎えにきてもらうか、又は公共交通機関で帰宅しましょう。その場合、車と車のキ一は港の誰かに預け、後日取りに来るのが賢明です (預かってもらった人への謝礼を忘れずに)。
ちなみに、僕が目撃した大津での転覆事故は9月の出来事でした。後でボート屋さん(石田ボートさんではありません)に聞いた話だと、乗船者2名は無事だったものの、ポート屋さんのアドバイスで、ショックが落ち着くまで数時間は近くのファミレスで休んでいたそうです。そしてやはり携帯電話や財布が無くなってしまったことで、とても困っていた、とのことでした。
○同じ海を愛する仲間と助け合うために
誰かが不幸にして転覆に遭ってしまったら、周囲の誰かが迅速に助けることが絶対必要です。特に冬場は対応が一刻を争います。遭遇確率は自分の転覆よりも高いので、周囲の転覆事故にも備えておきましょう。
・携帯電話にはボート店の連絡先電話番号を登録しておく(可能であればショートカットアイコンをホーム画面等に登録しておく)。
・実釣中も、常に周囲のボートの様子を観察する。
・万一、転覆を発見したら「誰かが連絡するだろう」ではなく、すぐに自分がポート店に電話連絡を入れる。何度も書きますが、特に冬場(今の時期)は一刻を争います。
新年の記事としては後ろ向きな話ですが、これから手漕ぎポートの素晴らしい世界に入ってこられる方々向けの雑談です。誰も転覆などのアクシデントに遭わないことを、心の底から願っています。
今年も1年間海釣りを愛する皆さんが安全に過ごせますように
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本年もよろしくお願い致します。
幸い私も自分のボートが転覆したことはありませんが、転覆しているのを目撃したことが一度だけあります。大津で、凪の日でしたので、最初は転覆だとは思いませんでした。かえって油断があったのでしょうか。
ボート釣りに慣れてきた今、準備を見直すきっかけになりました。ありがとうございます。
投稿: APS | 2012年1月 3日 (火) 17時00分
> APSさん
コメントありがとうございます。
手漕ぎボートの転覆はほとんどが初歩的な不注意によるものです。ただし、ごく稀に突然の風や波で何隻も同時に転覆するような状況もあるらしいです。
怖いですよね。
でも備えあれば憂いなし今年も安全第一で手漕ぎボートを楽しみましょう~
本年もよろしくお願いいたします。
投稿: HEPPO | 2012年1月 3日 (火) 22時50分
私のブログのBBSにコメント頂き有難うございます。
ここまで安全対策に気を配ってらっしゃるとは驚きました!
私の転覆時は同時に2~3艇がいってたので避けれない
場合もあります、大事なのは転覆した時を想定した準備
ですね。溺れてる時は本当に死を覚悟しましたから。
お互いに安全に楽しくボート釣りライフを楽しみましょうね!!
投稿: 有亮丸 | 2012年1月 6日 (金) 22時23分
> 有亮丸 様
コメント有難うございます!!
BBSのご返答も拝見いたしました。重ねて感謝させていただきます。
手漕ぎボート釣りを一生の趣味にしよう、と考えた時、安全への細心の注意は不可避です。
でも現実には転覆事故が増えていると聞き、本当に人事ではない話です。
転覆についてたくさんの記事を調べましたが、本当に有亮丸さんの体験談は貴重です。
そして、そういった経験をされた方が、こうして第一線のボート釣り師として活躍されていることは
素晴らしいことだと思います。
ボート釣りが、人生を素晴らしいものにし得る趣味だということの証明ですね!
これからのご活躍を祈念しています。ボートライフ、楽しみましょう!!(^o^)/
投稿: HEPPO | 2012年1月 6日 (金) 22時49分